「生涯学習振興について特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。」
特別区採用試験本番でこのような論文テーマが出たとき、あなたは自信をもって解答できますか?
こちらはどうでしょうか?
「プラスチックごみ問題について特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。」
先ほどよりもやや難しいかもしれません。ですが、試験本番で出題される可能性は大いにあります。
なぜならば、特別区で現在話題になっているテーマだからです。
さて、2問出題しましたが、両方とも満足いく解答ができる自信はありましたか?
希望区に行きたいならば、さらに上位合格できるレベルの解答が必要です。
もし自信を持って「はい」と言えないならば、今すぐ対策が必要です。
そこで今回お伝えするのは、論文が苦手な方でも安定して高得点を叩き出せる論文の勉強方法です。
最上位合格者たちの中には、ほんの1週間で論文をバッチリ対策してきた人がけっこういます。
そんな人たちが実際に行った論文の勉強方法をお伝えします!
これを使えばどんなテーマが出現されても安定して高得点論文を書くことができるようになります。
最上位合格者は論文をこうやって勉強している
最上位合格者のみなさんは論文試験が得意でした。
勉強方法を尋ねてみると、やはり論文対策に大量の時間と労力を掛けていたようです。
予想テーマ約25個について熱心に研究し、そのテーマに沿った論文を実際に書き、納得がいくまで何度も修正していたとのこと。
そして、完成した論文25テーマ分を暗記する勢いで何度も読んでいたそうです。
聞いただけでも大変そうですが、最上位合格者はそのぐらいの労力を掛けて論文対策していました。
ところが意外だったのが、論文を「考えて」書いている人が一人もいなかったということです。
論文試験を「出されたテーマについて、あらかじめインプットしておいた模範解答を機械的に書く作業」として捉えていました。
論文試験とは、「論理的に思考し、分かりやすく表現するもの」だという固定観念が一切なかったのです。
最上位合格者いわく、
「論文はその時のコンディションや出題テーマによって大きく点数が揺らぐ科目なので、模範解答をいくつも覚えておき、問題文に応じて少し整えるだけの方が安定する」
ということでした。
つまり最上位合格者は、論文を暗記科目化していたのです。
論文を暗記するデメリット
このように、トップレベル合格者は論文を暗記科目化して好成績を叩き出していたようです。
しかし、私には疑問がありました。
それは、「模範解答を丸暗記してしまうと、予想とちょっと違うテーマが来たときに柔軟に対応できないのでは?」ということです。
もし、やや異なるテーマが出てしまったら模範解答をそのまま使うわけにはいきませんよね?
そこで、合格者にこの疑問をぶつけてみました!
すると・・・
柔軟に対応できない、というのは一切感じませんでした。
模範解答は応用できる知識のカタマリだからです。
とのことでした。
いわく、あるテーマが出題されたとします。
そのテーマが、
- バッチリ予想通りのテーマ! ⇒ 模範解答をそのまま使える
- ちょっと違うテーマ! ⇒ 模範解答で得た課題・解決策といった知識を活かす
といったように、出題テーマに応じてその知識を活かせば、どんなテーマにでも対応できるということです。
たしかに、模範解答を覚えるということは、様々な知識を身に着けるということなので納得がいきます。
模範解答は必殺の切り札ですが、それ以上に豊富な知識の源泉でもあるということです。
暗記科目化こそ最強の論文対策である。
本来であれば論文は暗記科目とはかけ離れたものであるはずです。
「出題テーマについて理解し」「論理的に考え」「時間内に素早く論文を書く」ことが求められるからです。
一方で歴史や地学といった暗記科目は、問題を見て「ああ、この問題ね。じゃあ正解はこれだ」と反射的に解くことができます。
どちらが簡単かと言えば、明らかに後者です。
論文試験は正直に言って非常に難しいことを求められています。
合格者の論文が安定していたのは、論文を暗記科目のように扱っていたからです。
つまり、テーマごとに模範解答をインプットして、出されたテーマについて反射的に答えていたのです。
出題テーマを見て「ああ、このテーマね。ならばこれを書けば正解だ」と思い浮かぶよう模範解答をインプットしていました。
この模範解答インプットには計り知れないメリットがあります。
時間内に解答できる
特別区の論文試験はとにかく時間が足りません。ギリギリの制限時間の中ですぐれた解答を書かなければなりません。
どれだけ優秀な受験生でも時間が足りず、内容不十分で不合格になるケースが毎年発生します。
通常ですと、論文を書くためには次の工程が必要です。
少なく見積もってもこれだけのことを気にしなくてはなりません。
試験本番、疲れと緊張の中でこれだけのステップを確実にこなさなければなりません。
一番悲惨なのは、書き進めた結果、文字数が足りなかったり、オーバーしてしまうケース。
パソコンのように文章の途中を消したり追加したりできませんので、大幅な修正が必要になります。
これでは時間内に収まらず不合格になりかねません。
一方、模範解答をインプットしている場合はどうでしょう?
これだけです。明らかに余裕度が違います。
模範解答は出題テーマの課題や解決策について研究済ですので試験本番で改めて考える必要はありません。
また、文字数調整済みの模範解答をベースに書くので、書き進めていっても文字数過不足になる不安すら無くなります。
これはものすごく大きなメリットですよね!
本番の疲れや緊張に左右されない
試験本番の緊張感は想像を絶するものです。
多くの受験生にとって、大学入試以来の人生大一番。尋常では無いプレッシャーです。
特に論文試験は1次試験の最終科目なので、教養試験・専門試験が終わり疲れ切っている状態です。
教養試験・専門試験の手ごたえが悪ければ、さらに気持ちが不安定になります。
そんな疲れと緊張の中で素早く正確に、論理的に思考して解答を書き上げなくてはなりません。
予備校講師の方などは「論理的に考える力をつける」「思考力を磨く」といった勉強を勧めることがあります。
たしかに、すばらしい論文を書くうえでは重要ですが、限られた勉強時間の中でそれらを身に着けられるかは不安です。
それどころか、本番の緊張・疲れの中で付け焼き刃の論理力・思考力が働くかどうかは博打に近いです。
最上位合格者は、そうした不安定な賭けを避けるために模範解答をインプットしました。
機械的に模範解答を書き込めばいいだけなので、精神的な揺らぎに左右されることはありません。
人間の思考力は環境やコンディションによって大きく上下しますので、思考力に頼らない模範解答インプットなら合格が安定します。
試験本番は教養試験の手ごたえが悪く、メンタルがボロボロでした。
しかし、論文試験は覚えてきた模範解答を書けばいいだけだったのでスラスラと書けました!
テーマについて正確に解答できる
論文試験ではテーマに対する理解が合否に直結します。したがって、テーマ研究を行う方がほとんどです。
しかし、多くの受験生は非常に危険な落とし穴を見過ごしています。
それは、テーマを研究したからといって、そのテーマについて論文を書けるようにはならない、ということです。
いくらテーマ研究をしたからといっても、いざそのテーマについて論文を書いてみようとすると、書けないものです。
知識をインプットすることと、それを論文の形でアウトプットすることはまったく別の能力が必要だからです。
多くの方はこの事実を見逃し、知識ばかり溜め込みます。それでは合格論文を書けるようになりません。
それだけではありません。試験本番の不安定な精神状況では溜め込んだ知識がおかしな形でアウトプットされる恐れがあります。
不思議なものですが文章というものは、書いている最中は違和感がなくても、時間をおいてから見返すとひどい内容であることに気付くことが多々あります。
特に、試験本番で気持ちが不安定な状態ではありがちです。
しかし、模範解答をインプットしている場合そういった心配はありません。
既に完成した論文の形で、研究したテーマがインプットされています。試験本番にああだこうだと頭を悩ませる必要はありません。
「このテーマなら、これが課題で解決策はこれだな。」とスラスラと書くことができます。
どうすれば論文を暗記科目化できるのか?
以上のように、論文の暗記科目化には計り知れないメリットがあることが分かりました。
さすがは最上位合格者が実践した方法です。本番の精神状況に左右されず機械的に合格論文が書けるというのは革命的です。
では、論文を暗記科目化するためにはどうすればよいのでしょうか?
実は至って簡単です。
それは、
「あらゆるテーマの模範解答をインプットする」
これだけです。
これにより、どんなテーマが来ても反射的に合格論文を書くことができます。
歴史や地学のように、あらかじめ答えをインプットするのとまったく同じです。
では、どうやって模範解答をインプットすればいいのでしょうか?
模範解答を写経する、ひたすら読む
最も効率的かつ有効な方法は、解答論文を写経する、もしくは読むことです。
正直これに勝る論文対策方法はありません。
写経とは、「解答論文を見て、それを真似して論文を書いてみる」ことです。
あるいは、解答論文を読むだけでも構いません。
解答論文を見て、真似して書いてみることで論文の構成やコツ、論文の作法、時間感覚と文量まで一気に習得できます。
それだけではなく、テーマ研究にかかる莫大な時間も節約できます。
解答論文を写経するだけでテーマ研究もできてしまうからです。
しかしこの方法、予備校や参考書では積極的には教えてくれません。
なぜならば、論文講師や参考書が存在意義を失ってしまうからです。
きれいごとを言えば、論理的思考力を鍛えたり、論文テーマをまともに調べたりすべきかもしれません。
しかし、特別区採用試験の目的は合格することです。
他の受験生が合格するために血眼になって最も有効な方法で論文対策をしている可能性があるのに、あなただけ悠長に勉強していては置いて行かれます。
最上位合格者はそれを分かっていたようです。
限られた勉強時間の中で最高の成果を上げることができますので、ぜひ試してみてください!
特別区論文の解答論文を用意する方法
とはいえ、写経元の解答論文がなければこの最強の方法は使えません。
そこで、解答論文を用意する方法をお伝えします。
①自分で作成する
インプット元の論文を自分で作る方法です。
わたしが受験生だったときはこの方法で合格しました。
自力で様々なテーマ研究を行って、それぞれのテーマについて1から論文を書いては修正してを繰り返していました。
しかし、ものすごい時間をかけて論文を書いたわりに、それが合格レベルの論文なのか自分には分からないのが最大の欠点でした。
何しろ公務員でもない素人が書いた論文なんて間違いだらけかも知れません。
そこで、これから受験するあなたには次の方法のほうが絶対にオススメです。
②解答集を使う
論文を自作するのはものすごく時間と労力を使います。その割には合格基準を満たした論文になるとは限りません。
そこでここ数年多くの合格者に人気なのが、解答集を使う作戦です。
正直、教養試験対策と、面接カードや職務経歴書の記入があるのに、イチから何十本も論文を作り上げるヒマはありません。
そこであらかじめプロが書いた解答集を使うことで、大幅に勉強時間を削減しつつ勝てる論文を安定して書けるようになります。
解答集の定番はこちらです。出題の確率が高い「デジタル化推進」が無料で全公開されているので、合格するためにも必ず見てください。
上記は鉄板ですが、この他にも寺本さんの論文バイブルもおすすめです。ただし、特別区の事情とはややズレている印象です。国家や県庁を併願する場合はこちらも買っておいて損はないかと思います。
一方で、政令指定都市をはじめとした市役所も受けるならやはり【特別区採用試験】論文予想テーマ模範解答が非常に役立ちます。
特別区と政令指定都市の課題はかなり似ていますからね!
解答集を使うも使わないもあなたの自由です。貴重な時間と労力をほかの勉強に投資できるので、とても有力な選択肢だと思います。
論文はその時のコンディションや出題テーマによって大きく点数が揺らぐ科目なので、模範解答をいくつも覚えておくことで非常に安定します。
それでは、あなたの合格と幸せな未来を祈っています!