論文試験は教養・専門試験と違いどう対策したらいいか分かり辛いですよね。
そのため多くの受験生は論文対策を後回しにしてしまいがちです。私も受験生の時はそうでした。
しかしながら、特別区の合否を分けるのは間違いなく論文です。
なぜならば、1次試験の6割もの配点を論文が占めると言われているからです。教養・専門科目の得点でどれだけ差が開いても、論文の得点次第で簡単に逆転が起こります。
さらに、希望区に採用されるには論文で高得点を取ることが必須です。
特別区採用試験は、合格順位が高い人から優先的に希望区の試験に呼ばれますので、上位合格論文を書けるかどうかが勝負の分かれ目になります。
そんな論文試験ですが、実はある過去問を分析することである特徴的な傾向が見えてきます。また、対策方法によっては非常に容易に解くことができるようになります。
今回は、最上位合格者からヒアリングした結果を踏まえ、論文の傾向と対策、勉強法をお伝えしていきます。
特別区論文の出題傾向と対策

公務員試験は「過去問を制する者が試験を制する」と言われています。
なぜならば、過去問と似たような問題が頻繫に出題されるからです。
したがって、論文試験もまずは過去問を辿ることで出題傾向を把握し、適切な対策をとるのが正解です。
まずは特別区採用試験の過去の論文テーマを確認していきましょう。
過去の出題テーマをおさらい
年度 | テーマ① | テーマ② |
---|---|---|
2020 | 先端技術を活用した区民サービスの向上 | 都市における地域の防災力強化 |
2019 | 外国人の増加に伴い生じる新たな課題 | 認知症高齢者への対応 |
2018 | 住民との信頼関係の構築 | 子どもの貧困問題 |
2017 | 空き家問題 | 女性の活躍推進 |
2016 | ユニバーサルデザインのまちづくり | ICT利活用の促進 |
2015 | 自治体事務のアウトソーシング | ワークライフバランスの実現 |
2014 | 自転車とまちづくり | グローバル化 |
2013 | 東京の魅力発信と施策 | いじめ、体罰問題 |
2012 | 自治体の説明責任 | 人口減少社会、高齢社会 |
2011 | 災害・震災に強い地域社会 | 地域コミュニティの活性化 |
2010 | 待機児童解消 | NIMBY施設と合意形成 |
2009 | 安全・安心な地域社会 | 学校選択制、地域と学校 |
2008 | 都区制度と自治 | 情報通信ネットワーク |
2007 | 住民との協働 | 環境問題 |
2006 | 少子化 | 安全・安心な地域社会 |
2005 | 地域福祉の向上 | 地震 |
特別区の論文試験は問題文が長いため、上記はあくまで抜粋です。
多種多様なテーマが出題されていますね。問題を精査すると、同じテーマが出たといえる例は2006と2009の「安心・安全な地域社会」のみです。
それ以外のテーマは全く別モノです。したがって、過去問から読み取れる頻出テーマというものはありそうで、実はありません。
注意して頂きたいのが、「一見同じようなテーマでも書くべき解答は全く異なる」ということです。これは非常に大きな落とし穴なので必ず押さえてください。
たとえば、2019年「認知症高齢者への対応」、2012年「人口減少社会、高齢社会」は油断しているとどちらも「高齢化」というテーマとして分類してしまいそうです。
しかし、実際の問題文を読んでみると全く違うことが問われていると分かります。
【2019】
我が国では、今後のさらなる高齢化の進展に伴い、認知症高齢者の大幅な増加が見込まれています。こうした中、特別区では認知症高齢者の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができる地域社会を実現するための様々な取組を推進しています。このような状況を踏まえ、今後急増することが見込まれる認知症高齢者への対応について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
【2012】
東京都では、2020年頃を境に人口が減少に転じることが予測されています。一方、現在すでに20%を超えている高齢化率は、今後も更に上昇を続けることが見込まれています。特別区が、これまで経験をしたことのない人口減少社会、高齢社会を迎える中で、暮らしやすい地域はどのようなものかを述べた上で、それをどのように実現していくか、あなたの考えを論じなさい。
2019は「認知症高齢者への対応」を問われており、2012は「人口減少社会、高齢社会に対する暮らしやすい地域の実現」を問うています。
書くべき解答がまったく異なることが分かると思います。
もう一つ例を挙げると、2018「住民との信頼関係の構築」と「住民との協働」は解決すべき視点が全く別です。
【2018】
(中略)このような状況を踏まえ、住民との信頼関係の構築について、区政の第一線で住民と接する特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
【2007】
(中略)こうした状況において、特別区はどのように住民参加の仕組みを構築し、住民との協働を進めていくべきか、あなたの考えを論じなさい。
一目で、解答がまったく異なることが分かると思います。にも関わらず、どちらも「住民との協働」としてカテゴライズしてしまうと出題意図を外してしまいます。
出題テーマをカテゴライズすれば、対策すべき論文テーマが減り、何となくやった気になれます。
しかし、安易なカテゴライズにより論文対策する努力から目を背け、試験本番で失敗することは非常に恐ろしいです。
あらゆるテーマを詳細まで対策することは苦労を伴いますが、失敗しないためにも手を抜かず細かく対策しましょう。
出題傾向にはシグナルがある
特別区の論文は、過去問と同じテーマが出題されることはほぼ無いということが分かりました。
では、出題傾向の手掛かりはないのか?というと、実はあるのです。
まずはこちらをご覧ください。
年度 | 論文テーマ | 年 | トピック |
---|---|---|---|
2020 | 先端技術(AI・RPA)を活用した区民サービスの向上 | 2018 | 地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会(スマート自治体研究会)発足 |
2020 | 都市における地域の防災力強化 | 2019 | 台風19号、北海道胆振東部地震(2018) |
2019 | 外国人の増加に伴い生じる新たな課題 | 2018 | 出入国管理及び難民認定法改正、東京五輪(2021) |
2019 | 認知症高齢者への対応 | 2019 | 認知症施策推進大綱公表 |
2018 | 子どもの貧困問題 | 2017 | 子供の貧困対策に関する有識者会議設置 |
2017 | 女性の活躍推進 | 2016 | 女性活躍推進法完全施行 |
2017 | 空き家問題 | 2015 | 空家等対策の推進に関する特別措置法施行 |
直近3年間を一例として挙げましたが、ご覧の通り国家レベルでの法改正やトピックが1~3年後の特別区論文試験に出題されていることが分かります。
もちろん、実際に問われているのは特別区という地域レベルでの取り組みですが、テーマのネタ元のほとんどが国の動向です。
とりわけ、主要な法改正や注目すべき要綱発表などがネタ元として取り上げられるケースが多いです。
基礎自治体なのになぜ国の動向と関連したテーマが出題されるのか不思議に思うかもしれませんが、特別区は日本の核をなす自治体なので、国とは切っても切れない関係にあります。

実際に、特別区職員でありながら国への出向する人が何人もいます。
特別区は全国の自治体の手本となり、先導者として期待されているのです。
では、この傾向から次回はどんなテーマが出るのか予測してみましょう。
ここ数年の国家的な話題から、出る可能性が高いトピックは次の通りです。
・児童虐待問題 (2020 改正児童虐待防止法と改正児童福祉法成立、特別区での児童相談所設置)
・スマートシティ (2020 「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」いわゆる「スーパーシティ法案」成立)
・シェアリングエコノミー (2019 第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」発表)
・公共施設の更新 (2019 「経済財政運営と改革の基本方針 2019~『令和』新時代:『Society 5.0』への挑戦~」を踏まえ、2021 公共施設等総合管理計画の見直し要請)
・SDGs (2021 SDGs推進本部で『SDGsアクションプラン2021』を決定)
・テレワーク (かねてより総務省が推進、コロナ禍により一気に話題となったため)
・感染症対策 (言わずもがな)
あくまで一例ですが、いずれも他のテーマよりも出題可能が高いと予想されるので、優先的に対策することをオススメします。
出題文が数年おきに変化している
出題文を分析すると、ここ15年間で3度、ニュアンスが変わっていることが分かります。
それも、最も重要な問いかけの部分が変化しています。
・2014~ 「特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。」
・2009~2013 「要因について(あり方について)あなたの考えを述べ、どのように取り組むべきか論じなさい。」
・~2008 「~するためにはどのように取り組んでいくべきか、あなたの考えを論じなさい。」
まず、2008以前は率直に言ってかなり緩い問題文でした。「特別区職員として」といった制約がなかったため、大胆な施策提案をすることができました。
しかし、2009~2013にガラッと変わります。この時期は、テーマの要因やあり方まで述べる必要もありました。前提となるテーマへの深い知識と、それに対する意見が必要だったため、この時期の受験生はかなり苦労をしました。
さすがに難易度が高すぎたとみたのか、たった5年でこの出題傾向は終わりました。2014年からは「特別区の職員としてどのように取り組むべきか」という出題文に落ち着き、結果として易化しました。次回の出題文も恐らくこのパターンが続くでしょう。
ただし、このパターンに入ってから6年以上経つので、もしかすると若干変わった形で出題されるかもしれません。
そういった変化にも対応できるよう、あらゆるテーマについて深く研究し、柔軟に対応できるようにしておくことが重要です。
テーマ研究方法

論文は、率直に言って出題されたテーマを知っているかどうかで合否が決まります。
たとえば教養科目・専門科目は1問知らない問題があっても他の問題でカバーできますが、論文は、知らないテーマが出題されたらその場でお終いです。非常に残酷です。
こうした事情もあり、特別区採用試験では論文テーマをわざわざ2つ用意してくれています。チャンスを2倍にしてくれているのです。
では実際のところ、いくつテーマを押さえておけばよのでしょうか?
合格者の例から、おおよそ20~25個押さえておけば安心だといえます。
想定されるテーマ例を記載します。
- 治安対策
- 少子化対策
- テレワーク
- 地域包括ケアシステム
- 地球温暖化
- 健康福祉
- 事件・事故対策
- 地震災害
- 住民参加
- 児童虐待
- 地域の安心・安全
- スポーツ振興
- 待機児童
- 児童虐待
- シェアリングエコノミー
- SDGs
- スーパーシティ
- 業務効率化
- 貧困
- 施設更改
- 生涯学習
- インバウンド
- 高齢化
- 環境問題
- 豊かさ
- 循環型社会
- 地域コミュニティ
- 空き家
- 生物多様性
- 地域経済
- いじめ
- 差別
- LGBT
- 国際化
数多くありますので、すべて研究するのは現実的には困難かと思います。ですが、万全を期すためにも1つでも多く押さえてください。
テーマ研究手順
テーマについて調べるとき、次の手順で行ってください。
- 調べたいテーマを1つ設定する(例:地域産業振興)
- テーマの現状と背景を調べ、理解する。(例:地域産業が衰退している)
- テーマの主要課題を3つほど見つける。(例:グローバル化による市場競争激化に取り残されている)
- 主要課題への特別区の職員としての解決策を決める。(例:独自の優位性を保つために観光資源とのコラボレーション機会を創出する)
手順1で調べたいテーマを設定します。
手順2でテーマ全体をまず理解します。序論に書く内容にもなります。
手順3でテーマについての主要課題を理解します。ここが本論に書く内容です。テーマ研究のメインになる部分でもあります。
手順4で、特別区の職員としての解決策は何か決めます。
手順3、4で調べた内容は反射的に答えれるレベルになるのが理想です。
たとえば教養科目・専門科目では、問題を見て「ああ、あの問題ね。じゃあ正解はこれだ」という脳の流れがあれば最短で解くことが出来ます。
これは論文も同じで、問題文を読み「ああ、このテーマね。ならこれを書けば正解だ」と反射的に答えることができれば最短で合格論文がかけるようになるからです。
テーマ研究の情報源
基本は区のホームページです。しかし、住民向けの情報中心なので、区の課題や政策について見つけ辛いかもしれません。
また、少し難しいかもしれませんが、各区の区議会ホームページも参考になります。いま、まさに話題になっていることが取り上げられているからです。
さらに、あまり知られていませんが有力な情報源として、特別区調査研究機構があります。各区が話題となっているテーマについて専門的な研究をしているので、ホームページやニュースだけでは知ることができない深層まで迫ることができます。
テーマ研究は少し大変かと思いますが、ある程度勉強している受験生ならば減点基準や論文の型は、当然のごとく押さえてきていますので、ここが勝負の分かれ目という気持ちで頑張ってください!
特別区独自の事情を調べる
併願者にありがちですが、特別区ではなくても言えるような一般的な課題や解決策を書く受験生が非常に多いです。
しかしそれでは上位合格はほぼ不可能です。特別区独自の政策や課題を書けるかどうかで順位が決まります。
というのも、特別区としてはなんとしても第1志望の人を優先的に採用したいという思いがあるからです。
特別区は受験日が他の自治体より早いことから、併願者が多いことで有名です。なので、試験辞退や内定辞退が多いことで特別区は大変頭を悩ませています。
そこで、論文や面接の中で特別区について本気で調べてきたんだという証拠があれば、非常に高く評価します。
市販の論文参考書や予備校の地方上級コース論文対策の場合、特別区の個別事情や政策について触れられることは滅多にありません。一般的な内容に終始してしまいます。したがって、受験生のことを本気で考えると、あまりおすすめできません。
上位合格を目指すなら、区議会ホームページなどから特別区だけが行っている政策や、課題について研究しましょう。
論文練習法

論文の練習は実際に手を動かして書いてみる!ということに尽きます。
論文は書けば書くほど上達すると言われますが、まさにその通りです。
とにかく書いてみて感覚をつかむことが何よりも重要です。
どのくらい書けばいいのかという基準はありませんが、最上位合格者たちは研究したテーマすべてについて論文を書いていました。つまり、20回以上です!
時間があればぜひここまでやって頂きたいのですが、10回練習できれば合格論文を書ける位には到達できるでしょう。
論文の文量や制限時間の感覚は書くことでしか磨くことはできません。テーマ研究が不十分でも、早い段階からまず1枚でもいいので書いてみることをおすすめします。
また、実際に書いてみて気付くことも数多くあります。
テーマ研究をしてバッチリだと思っていた内容も、いざ書こうとすると思うように筆が進まないこともしばしばあります。

改めて調べ直すことで、テーマについての知識をより深めることができます。
これを繰り返すことで論文を書く力は確実に上がります。
最初は全く書けなくて当然ですので、コツコツと、試験直前まで練習し続けてみてください。必ず上達します。
本番さながらの状況で練習する

論文は教養科目・専門科目と違って点数の揺らぎが大きい科目です。いつもはバッチリ論文を書けているのに本番だと急に書けなくなるという受験生は毎年います。
したがって、本番でも安定して結果を出せるように、本番さながらの状況で論文を書く練習をすることを強くおすすめします。
では、特別区採用試験の課題式論文についておさらいします。
- 第1次試験科目
- 1類では「教養試験→専門試験→課題式論文」の順で試験が行われる。
- 経験者採用では「教養試験→職務経験論文→課題式論文」の順で試験が行われる。
- 制限時間 80分(経験者採用は90分)
- 試験開始後、2題の中から1題選択し解答する
- 文字数 1000字以上1500字程度
- 横書き
- 内容 社会事案への関心、思考力、論理性等を問う
- 保健師区分以外のすべての区分で同じ論文課題が出題される
Ⅰ類でも経験者採用でも、1次試験の最後に行われます。疲れ切ったタイミングで最も重要な課題式論文試験が来るが特徴です。
実はこれ、軽視されがちですが合否を分ける重要なポイントです。
2つの試験を終えて疲れ切った脳では、思うように論文が書けないことがしばしばあります。
したがって普段から、疲れ切った脳でも論文が書けるよう訓練することが重要になります。

一日中勉強した最後に、論文を書く練習をしていました!
また、答案用紙は横書きです。例年横書きなので、急に変わることはないはずです。
したがって、論文の練習をする際は本番同様、横書きの用紙で行うようにしてください。
横書きと縦書きでは論文の作法も変わるからです。
横書きの場合、数字を書くときは英数字(1、2、3…)を使うのが原則。2文字以上ならば、1マスに2文字ずつ入れる。 例)2021を書く場合、1マス目に20、2マス目に21と書きます。

普段から本番と同じ条件で臨むことが、安定して結果を出すコツです。
制限時間は80分(経験者採用は90分)です。実際に書いてみると非常に少ない時間です。慣れないと時間内に書ききることはできません。そうなると内容不十分で即脱落になります。
とにかく書いて練習して時間感覚をつかめるようにしてください。
【最強の対策】模範解答を写経する、ひたすら読む

以上、長くにわたって論文対策を書きてきましたが、
最も効率的かつ有効な方法は、模範解答を写経する、もしくは読むことです。
正直これに勝る論文対策方法はありません。
写経とは、「模範解答を見て、それを真似して論文を書く」ことです。あるいは、模範解答を読むだけでも構いません。
模範解答を見て、真似して書いてみることで論文の構成やコツ、論文の作法、時間感覚と文量まで一気に習得できます。
それだけでなく、非常に時間がかかるテーマ研究の時間も節約できます。模範解答を写経するだけでテーマ研究もできてしまうからです。
論文は書く練習が重要です。しかし闇雲に書くよりも、模範解答を写経して書く方がはるかに効率よく対策できます。
しかしこの方法、予備校や参考書では積極的には教えてくれません。論文講師や論文参考書が存在意義を失ってしまうからです。
きれいごとを言えば、論理的思考力を鍛えたり、論文テーマをまともに調べたりすべきかもしれません。
しかし、特別区採用試験の目的は合格することです。
他の受験生が合格するために血眼になって最も有効な方法で論文対策をしている可能性があるのに、悠長に勉強していては置いて行かれます。
最上位合格者はそれを分かっていたようです。
限られた勉強時間の中で最高の成果を上げることができますので、ぜひ試してみてください。
模範解答を用意する方法
とはいえ、写経元の模範解答がなければこの最強の方法は使えません。
そこで、模範解答を用意する方法をお教えします。
①自分で作成する
インプット元の模範解答を自分で作る方法です。
合格者の中には、大量の時間を掛けてテーマ研究を行い、それぞれのテーマについて1から合格論文を書いては修正してを繰り返していた方もいます。

模範解答が売っていなかったので、仕方がなく自分で作りましたが、本当にくじけそうになりました…
合格者の言う通りで、むかしは特別区専用の模範解答は出回っていませんでした。
したがって、自分で作るしかありません。しかし対策すべきテーマはいくつもあります。
書店で売っているような論文テーマ本は国家公務員や県庁向けの内容なので、残念ながらほとんど参考にならないのです。
時間に余裕がある場合はこの方法で対策するのも手です。
その場合、区のホームページや区議会ホームページで特別区独自の事情について調べるのがおすすめです。
②模範解答集を使う
先に書いた通り、模範解答を自作するのは大変な時間と労力を使います。その割には合格基準を満たした良作になるとは限りません。
むかしは模範解答なんてどこにも出回っていませんでしたが、暗記科目化の人気が高まったのか、ようやく販売されるようになりました。
これにより一気に火が着き、昨年あたりから模範解答集を使う勉強法が合格者のメジャーな対策になった印象です。
特別区に特化したほぼ唯一の模範解答がこちらです。多くの受験生が御用達の定番になります。
掲載テーマの豊富で、評価が毎年とても高いので間違いないでしょう。

他にも寺本さんの論文バイブルもおすすめです。ただし、特別区の事情とはややズレている印象です。国家や県庁を併願する場合はこちらも買っておいて損はないかと思います。
模範解答を使うも使わないもあなたの自由ですが、模範解答は貴重な勉強時間と労力を別の勉強に投資できるので、非常に有力な選択肢だと言えます。したがって、大幅に勉強時間を削減しつつ、勝てる論文を安定して書くことができるようになります。
特別区の1次試験は論文6割と言われていますので、使えるものは何でも使う精神が合格には欠かせません。
それでは、あなたの合格と幸せな未来を祈っています!
