特別区1次試験は驚きの配点比率!おすすめ選択科目はこれです。

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「どの科目に力を入れて勉強したらよいか?」

「どの科目を選択すればよいか?」

たくさんの受験生からそんな悩みを相談されます。

勉強時間が限られている公務員試験において、効率よく勉強時間を投資できるかどうかが合否のわかれ目です。

したがって、ムダな科目への勉強時間をできるだけ減らしたいという受験生の気持ちはとてもよくわかります。

特別区I類は倍率が約5倍の試験なので、8割以上の受験生が残念な結果に終わっています。ということは、多くの受験生とおなじ勉強をしたらおなじ結果になってしまいます。

したがって「なんとなく」や「みんながそうしているから」という理由ではなく、データに基づいて効率よく勉強することが非常に重要です。

今回は、合格者の経験やデータを基に、特別区一次試験の正しい対策方法とおすすめの選択科目をお伝えします。

一次試験のまとめ
  • 教養択一試験、専門択一試験、論文の3つが試験科目
  • 論文の配点比率が異常に高い
  • 教養試験の選択科目は時事+法律+政治+経済+生物+地学がおすすめ!
  • 教養試験はスピード勝負
  • 専門科目は科目選択がカギ。民法や経済学をまるまる切ることもできる。
  • 論文は社会問題がテーマ

1次試験の配点比率

公務員試験はとにかく勉強すべき内容が多いです。特別区も例にもれず、数多くの試験科目があります。

一方で、勉強に使える時間は有限です。

したがって、試験本番までの勉強時間をいかに効率よく使えるかが合否の分け目になります。

では、どうすれば有効に勉強時間を使えるのか。

その答えの一つが、配点比率が高い科目を見極めて、そこに勉強時間を注ぐことです。

たとえば、特別区の教養試験は選択科目で生物が2問でます。一方で世界史は1問しかでません。どちらもはじめて学ぶ科目だとします。

もし試験までの時間があとわずかでどちらか一方しか勉強できない場合、当然、生物を勉強したほうが効率がいいですよね?

もっと言えば、時事は4問もでますので、生物よりも時事を勉強すべきです。

当然、人によって向き不向きがあると思いますので一概にはいえませんが、配点比率が高い科目を見極めることで勉強時間を有効に使うことができるようになります。

これが1次試験の配点比率だ!

では、配点比率が高い科目はなんでしょうか?

実は、特別区は試験の配点比率を公開していません。

しかし、実際の受験生のデータや各予備校の分析から予測することはできます。それらのデータから分析した配点比率がこちらになります。

当では上記円グラフの通り予測しました。大量のデータを基に割り出したので確度はかなり高いと思います。

  • 教養+専門の点数が5割以下でも合格者がいる。
  • 教養+専門の点数が8割以上でも不合格者がいる。
  • 某大手予備校の予測も同じく「教養:専門:論文=1:1:3」
  • 教養+専門が満点近くても、論文がいまいちだった受験生は上位20%合格に入れなかった。
  • 教養が満点近く、専門が壊滅状態でも合格者がいる。
  • 逆に、教養が壊滅状態、専門が満点近くでも合格者がいる。
  • 特別区は1次試験実施から1次試験合格発表まで1ヶ月半以上ある(通常の公務員試験は2週間程度)。これは、論文を一人一人じっくりと見て採点しているからだと考えられる。

ご覧の通り、論文の配点比率が異常に高いです。これはほかの公務員試験にはない特徴です。

つい教養試験や専門試験ばかり勉強してしまいがちですが、特別区合格を目指すならば、論文に力をいれて勉強するのが正しいといえます。

詳細な分析

もう少し踏み込んで分析しましょう。

次の円グラフは、論文を除いた場合の得点比率を表しています。(青系が教養、赤系が専門です)

教養は政治、経済、倫理・哲学、物理、化学を選択しなかった場合、専門は民法①、民法②、社会学を選択しなかった場合の受験生を仮に想定しています。

特別区試験では、教養試験と専門試験は同じ配点比率だと考えられていますので、たとえばマクロ経済学と現代文の優先度は同じということになります。

勉強する際は、このグラフを常に頭の片隅に置いてください。勉強の優先度や力を入れるべき科目がわかると思います。

上位合格して志望区に採用されるには、論文に重きを置きつつも教養試験、専門試験も効率よく勉強することが重要です。

足切りは何点?

足切りは公表されていませんが、ほとんど無いと思っていただいて大丈夫です。

実際に、教養試験が相当低い点数でも合格者はいますし、専門試験が全然ダメでも合格者はいます。

他の自治体の試験では、教養、専門が一定基準以上の人のみ論文を採点する旨を明記しているところが多いですが、特別区にはそういった記載はありません。

第一次試験から第一次試験合格発表まで1ヶ月半以上あるということを考えると、教養・専門でどんな点数をとろうが全員の論文を採点しているのではないかと考えられます。

したがって、試験まで時間が無いのにほとんどの科目を勉強できていない場合は論文だけを集中的に対策するだけで合格が見えてきます。

ボーダーは何点?

教養+専門が3.5割というのが分かっている限りの最低点合格者です。この方は論文が満点近かったのかも知れません。

論文の自己採点を正確にすることは不可能なので、実際のボーダーを知ることは難しいといえます。

また、そもそも公務員試験は絶対的に合否が決まるものではありません。相対的に合否が決まります。

絶対的に合否が決まる試験とは、100点満点中60点とれば合格といった試験です。60点以上とった受験生が何人いようが、その人たちは全員合格できます。

一方で相対的に合否が決まる試験とは、あらかじめ合格できる人数が決まっており、受験生の中から成績上位順に合格できる試験です。

特別区採用試験は後者です。

したがって、優秀な受験生が多い年はボーダーが上がりますし、逆の年はボーダーが下がります。

このように、ボーダーを気にしてもほとんど意味がありませんので、あまり考えずに地道に勉強することが大切です。

教養試験を考察

特別区の教養科目は次の通りです。必須28問、選択12問の計40問です。

必須科目
必答科目出題数(28問必須回答)
現代文5
英文4
判断推理6
数的処理5
資料解釈4
空間把握4
選択科目
選択科目出題数(12問選択回答)
法律2
政治1
経済1
倫理・哲学1
日本史1
世界史1
地理1
時事4
物理2
科学2
生物2
地学2

これらを踏まえると、教養科目の比率は以下の通りになります。

ご覧の通り、必須回答科目だけで7割も占めます。

しかしながら必須回答科目は判断推理や空間把握といった、受験生にとって苦手な科目が多いです。とはいえ7割という大きなウェイトを占めているの避けることはできません。

しっかりと対策すれば解けるようになりますので、捨てずに地道に取り組むことが重要です。

選択科目はどれにすればいいか?

教養試験の選択科目は20問のなかから12問を選択して回答します。以下が科目ごとの出題数です。

理数系科目の出題数が多いことが特徴です。地歴公民はそれぞれ1問なのに対し、理数系科目はそれぞれ2問です。必須回答科目も数的推理や空間把握など、理数系科目が多いので、特別区の教養試験は理数系重視といえます。

さて、得意不得意はあると思いますがおすすめの選択科目は

時事+法律+政治+経済+生物+地学

の12題です。

まず、時事は4問も出題されるので必須といえます。苦手な人はまずいないと思いますし、勉強時間もそれほど必要ありません。非常にコスパがいい科目です。

次に、法律、政治、経済はやっておきましょう。

文系の方でしたら馴染みのある科目だと思いますし、専門科目の憲法、政治学、経済学などと被る内容も多いので一石二鳥です。

最後に、生物と地学をお勧めします。

理系科目ですが、難しい計算問題がなく、文系の方でも安定して得点できるので人気です。ほとんどの文系受験生は生物と地学を選択しています。

 

さて、これ以外にも、より点数を安定させるためにもう2,3科目追加で勉強する受験生もいます。

しかし、それはおすすめできません。

やるにしても1科目にしてください。なぜならば、1科目増やすだけで勉強時間は大きく増えるのに、全体の点数はわずかしか上がらないからです。

この記事の冒頭でお見せしたグラフの通り、1次試験は論文が圧倒的に重要です。それ以外の科目、例えば倫理・哲学を勉強して1問正解数が上がったからと言って、全体からすると0.5%しか点数が増えたことになりません。

倫理・哲学の勉強時間を仮に5時間として、その5時間をたとえば論文2テーマ分の勉強にあてた方が圧倒的に正しい選択といえます。

選択科目を増やすなら

もし、論文の勉強はバッチリ!試験まで時間がある!という場合は、上位合格を確実に狙うために選択科目をもう1科目増やして勉強する戦略もあります。

その場合は、いちばん馴染みのある科目を追加すれば間違いありません。例えば大学受験で世界史選択だった場合は世界史を選ぶのがおすすめです。

なぜらならば、勉強で一番時間がかかるのは、その科目を最初に学ぶときだからです。一度勉強したことがある科目は比較的短時間で対策できます。

ただ、合格者の中にはいままで勉強したことがなかった化学を選択する人も結構な数いました。やはり、地歴公民は1問出題なのに対し、化学は2問出題されるというのが大きいようです。

先輩合格者
先輩合格者

化学にかかる勉強時間が、世界史にかかる勉強時間の2倍以内ならば、化学を選んだ方が効率がいいんです!

と語ってくれた合格者がいて、確かに!と思いました。

やはり合理的に試験を分析できる人は合格できるんだと改めて感じました。

試験時間がギリギリ

教養試験の制限時間は2時間です。やってみて頂ければわかると思いますが、かなりギリギリです。

なぜならば、必須回答科目はすべて時間がかかる科目だからです。

歴史や地学などの暗記科目は、一度覚えてしまえば即座に回答できますが、現代文も判断推理も資料解釈も、それぞれしっかり考えてから回答しなければなりません。

受験後の話を聞くと、時間が足りずに満足に解けなかったとほぼ全員が話します。したがって、特別区の教養試験では、素早く回答できる技術が必要になります。

参考書や問題集は、素早く回答できるスキルを身につけられそうなものを選ぶのがオススメです。

専門試験を考察

専門試験は55問中40問選択解答です。

科目は以下の通りです。11科目あり、各科目5問出題なので、11×5で合計55問になります。

科目出題数
憲法5
行政法5
民法①(総則・物権)5
民法②(債権・親族・相続)5
ミクロ経済学5
マクロ経済学5
財政学5
経営学5
政治学5
行政学5
社会学5

お気づきかもしれませんが、55問中40問選択式なので、何科目か捨てることができます。

満点を狙うために全科目勉強する受験生も多いですが、あまりお勧めできません。教養のところでも書きましたが、1科目増やすだけで勉強時間は大きく増えますが、全体の点数はわずかしか上がりません。

特に専門科目は1科目あたりに要する勉強時間が尋常ではありません。わざわざ数点上げるために全科目勉強するよりは、論文のテーマ研究や書く勉強にあてた方が圧倒的に正しいといえます。

おすすめは2科目切って、9科目勉強する戦略です。

多くの合格者はこれでした。

45問中40問解ければいいので、5問余裕ができます。

先輩合格者
先輩合格者

5問も余裕があれば、満点は難しいかもしれませんが、かなり高得点を狙えます。

では、どの科目を切ったらいいのか。

結論から言うと、民法です。

特別区の民法は他の科目に比べて非常に難易度が高いです。ただでさえ民法は受験生を悩ます難関科目ですが、特別区は特にマイナーな個所を問われることが多いです。

よほど得意であれば別ですが、とにかくコスパが悪いです。

勉強時間が非常にかかる上に、成果が上がりづらいのでモチベーションが下がります。真っ先に捨てていいと思います。

また、法学部出身の方に多かったのですがマクロ経済学とミクロ経済学を切る合格者もそこそこいました。

先輩合格者【左 ♀】
先輩合格者

民法は大丈夫ですが、経済学アレルギーなんです!

そういった方は経済学を切りましょう。

通常の公務員試験ならば必須科目である民法や経済学を切ることができるので、特別区の専門科目は非常に取り組みやすいといえます。

併願の場合は、併願先の科目に民法や経済学があると思うので、捨てることが難しいかと思います。

その場合は併願先の出題科目とも相談して、併願先で出題が少ない科目を切ればOKです。

恐らく社会学は出題する自治体が少ないので真っ先に切れると思います。

特別区の専門試験は急激に難化した

過去問を解いていると気付くかもしれませんが、特別区の専門試験は平成27年度あたりを境に急激に難しくなっています。

過去の経験から特別区の専門試験は簡単だといまだに言っている人もいますので、惑わされないように注意が必要です。

5年以上前の過去問を解いていて簡単じゃん!と思っても油断はできません。特に、民法や行政法といった、法学系の科目の難易度は年々上がっている印象です。

また、全体的にスー過去にも載っていないような難問・奇問も毎年数問でますので、そういった問題は潔く切るのが賢明です。

試験時間はやや余裕がある

試験時間は90分です。教養試験のように、時間を要する計算や図を書く必要がないので比較的時間には余裕が出ると思います。

とはいえ、見直しの時間まで十分にとれるかというと怪しいです。したがって、早く解く練習よりも、見直しの必要がないよう1問1問正確に解く練習が必要になります。

論文試験を考察

さて、特別区試験で一番の勝負どころの論文試験です。

あまりにも配点比率が高いので、別途、記事を設けてじっくり対策をお伝えしています。

試験時間は80分。

2題テーマが提示され、そのうち1題選択して回答することになります。文字数は1000~1500字です。最大文字数の8割は書かなければいけない暗黙のルールがあるので、実質1200字以上は必要になります。

文字数的に80分は本当にギリギリです。

また、論文の配点比率があまりに高いことを考慮してか、テーマが選択式なのが特徴です。

もし1テーマだけだったら、そのテーマについてたまたま深く対策してきた人が有利になってしまいます。2テーマ用意することで、そういった運の要素を極力減らそうとする意図が見えます。

どんなテーマが出るのか?

テーマも独特です。そもそも問題文が長い!

令和3年度を例にすると、次の2テーマが出されました。

1 東京都では昨年、転出者数が転入者数を上回る月が続きました。転出超過等によって人口が減少すると、税収の減少や地域コミュニティの衰退など様々な問題をもたらします。
 また一方で、特別区の抱える公共施設の多くが老朽化しており、人口減少がもたらす更なる社会変化に対応した、施設の企画・管理・利活用が求められています。
 このような状況を踏まえ、区民ニーズに即した魅力的な公共施設のあり方について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

出典:特別区職員採用試験 令和3年度試験問題 (http://www.tokyo23city.or.jp/saiyo/sikenmondai_r03/sikenmondai_r03.htm#area1)

2 国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」では、持続可能な生産消費形態を確保するため、天然資源の持続可能な管理や効率的な利用をめざすことが必要であると示されています。
 特別区においてもその目標達成に向けた一層の取組が求められており、食品ロスや廃棄物の削減を進めていくことが重要です。
 このような状況を踏まえ、ごみの縮減と資源リサイクルの推進について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

出典:特別区職員採用試験 令和3年度試験問題 (http://www.tokyo23city.or.jp/saiyo/sikenmondai_r03/sikenmondai_r03.htm#area1)

普通の地方自治体では、もっと単純なテーマがでますが、特別区はより高度なテーマがでます。

特に社会問題をテーマにすることが多いです。それも、特別区で現に課題となっているテーマが頻出です。

市販の論文対策本は国家や都道府県からの視点が多いので対策が困難です。上位合格レベルや、教養・専門を巻き返すレベルの論文を書くことは難しいと思います。

したがって、特別区についてしっかり研究し、少なくとも20テーマは予測して練習することが非常に重要です。

ちなみに当研究会では出そうなテーマを毎年予想しており、見事的中し続けています!

正しい対策をとれば、安定して得点できる科目ですので、テーマ予想も含めて以下の記事を参考に対策してみてください。