特別区の課題について徹底解説!論文・面接では共通課題を語るべき

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公務員志願者にとって、受験する自治体が抱える課題は把握しておくべき内容です。

なぜならば、論文や面接で必ずと言っていいほど問われるからです。

ところが特別区採用試験の場合、23区が一括して行う試験なので対策がやや困難です。

というのも、ある区にとって課題となっていることが別の区では課題として認識されていない場合がありますし、そもそも各区で独自に政策を行っているからです。

それにも関わらず、論文や面接では特別区全般としての課題や政策を問いかけてきます。

区面接ならともかく特別区採用試験では、ある特定の区だけに当てはまる課題や政策を答えるわけにはいきません。

率直に言って受験生にとってかなり不親切な試験制度ですが、逆に考えると、これにうまく対応できれば他の受験生と大きな差を付けることができます。

そこで今回は「特別区全体の課題」と「地域ごとの課題」についてお伝えします。

特別区全体の課題

区政が抱える課題は数多くありますが、その中でも特別区すべてに当てはまるものがいくつかあります。

こうした共通課題は特別区採用試験で問われる可能性が極めて高いので、現状を理解し考えを答えられるようにしておく必要があります。

では、共通の課題とはどういったものがあるのでしょうか?

特別区普通会計決算と共に特別区長会が発表している報告では令和3年度決算時点(令和4年11月)での特別区全体の課題について次のとおり取り上げています。

  • 新型コロナウィルス
  • 物価高騰対策
  • 首都直下地震
  • 大規模水害
  • 少子高齢化
  • 公共施設の更新
  • 児童相談所の設置

特別区長会 特別区の財政状況元に作成(http://www.tokyo23city-kuchokai.jp/zaisei/index.html

これらは特別区長会で共通課題として認識されているので、原因から対策まで答えられるようにしておくことが必須です。

では、それぞれの課題について解説していきます。

新型コロナウィルス

現時点でもクリティカルな区政課題です。依然として新型コロナウィルス終息のめどは立っておらず、職員は対応に追われています。

最優先に考慮すべきは、やはり人命です。

当然ですが、区役所職員は住民の命を保護することを最優先に行動しなければなりません。同じく、住民の財産保護も重要です。

したがって、重症化リスクの高い高齢者への対応やコロナウィルスの影響で苦境にある事業者への支援が鍵になってきます。

実際に、ニュースなどで見聞きする行政の取り組みも、ほとんどがそういったものです。

また、行政自身が機能停止に陥ってしまっては元も子もないので業務を継続する仕組みも重要です。たとえばテレワークによる感染防止、民間企業等との協働によってキャパシティを拡張することが考えられます。

コロナウィルス関連は次から次へと新しい話題が出てくるので、雑多に情報収集してしまいがちですが、核心は「人命保護」「業務継続」であると覚えておけば落ち着いて情報整理できるでしょう。

首都直下地震

いつ起きてもおかしくない、待ったなしの課題です。

災害関連のテーマですが、新型コロナウィルスとほとんど同じアプローチになります。つまり、「人命保護」「業務継続」が核です。

震災時は行政自身の機能が著しく低下する可能性があり、「人命保護」「業務継続」が満足に行えない可能性があります。

そうしたときに住民自身が自らの命を守る「自助」、住民同士が協力して災害に立ち向かう「共助」の姿勢が非常に重要となってきます。

災害対策では「自助」「共助」が大前提、そして行政の支援である「公助」が次点という考え方は基本中の基本なので必ず押さえてください。

物価高騰

資源価格の高騰や円安の影響によって、ありとあらゆる物品が高騰しています。

物価高は住民生活や企業の経営にダイレクトに影響しますので、各区で補助金など様々な対策がとられています。

住民や企業だけではなく、行政にとっても物価高は頭の痛い問題です

なぜならば、光熱費や施設のメンテナンス、更新のコストなどが大幅に上昇するからです。

ただでさえ財政が不透明な中、こうした行政経費の引き上げはがあると、公共施設用地の確保も容易ではありません。

一方で、物価高への対策は一筋縄ではいかないのが現状です。

なぜならば、特別区でどうにか解決できる問題ではないからです。

国ですら解決策を見出すことができていません。

したがって、論文や面接で問われる可能性は極めて低いと思います。

大規模水害

近年、集中豪雨等による大規模水害が日本各地で発生しています。

地方の災害というイメージがあるかもしれませんが、特別区には大型河川がいくつも流れているため全く油断できません。

その証拠に、2019年の台風19号は特別区にも大きな被害をもたらしました。

こうした状況から、大規模水害対策がより一層推進されることになりました。

水害対策も震災と同じく「自助」「共助」「公助」が重要です。

ただし、水害は「ある程度発生が予測できる」「発生頻度が高い」という点で若干アプローチが異なります。

たとえば、気象情報を素早くキャッチし、被害地域・規模を予測し適切な対策を講じる能力が求められます。

また、地域住民へのハザードマップ周知や避難所の案内を日ごろから行うことも重要です。

たとえば杉並区では河川にネットワークカメラを設置し、24時間ライブ映像で配信するなど、ICTを活用した対策も取られています。

少子高齢化

区によって進行度合いが異なりますが、遅かれ早かれどこの区も直面する課題です。

少子高齢化として語られることが多いですが、最近では「少子化」と「高齢化」が単独で大きな問題として取り上げられていますので分けて考えたほうが整理しやすいでしょう。

まずは「少子化」について。

少子化は「結婚して子どもを産み育てる」のが当たり前という価値観が崩れたことが原因だと答える人がいますが、実はこの回答はあまりおすすめできません。

なぜならば、このような「価値観の変化」は行政では対策のしようがないからです。

論文や面接では、解決案をセットで問われるため、行政では解決が難しい問題は避けたほうが無難です。

したがって、

  • 女性の社会進出が進んでいるにもかかわらず、キャリアと子育てを両立できる環境が整っていない
  • 子育てするための時間的、経済的余裕が若い世代に足りない

といった、行政が対策できそうな原因を挙げるのがベターでしょう。これならば、続けて解決策を述べることができます。

次に「高齢化」について。

様々な課題が考えられますが、特別区ならではの課題として独居老人が多いことが挙げられます。

独居老人は社会的に孤立しやすく、地域の繋がりが薄れゆく特別区において非常に大きな問題となっています。

まさにその部分は行政がサポートすべきところなので、見守り体制を軸に対策を講じることが必要です。

公共施設の更新

災害と同じく待ったなしの課題です。

特別区は財政が豊かだった時代に大量に公共施設・インフラを建ててしまった歴史があります。

そうした施設の老朽化が進み、近年、ひび割れや雨漏りといった問題が至る所で発生しています。

特に、耐震性の問題は重大で、いつ起きてもおかしくない大地震に対しての脆弱性が指摘されています。

一方で、特別区の財政的は逼迫しているため施設の建て替えが思うようにできていないのが現状です。

さらに物価高が追い打ちをかけています。

したがって、「施設更新費用の確保」と過去の失敗を踏まえた「今後の施設計画」について提案できると高評価でしょう。

児童相談所の設置

児童虐待の相談件数は年々増加し続けており、特別区では非常に大きな問題となっています。

都市部ならではのストレスや地域の繋がりの薄さが虐待に繋がっているのだと考えられています。

こうした児童虐待を防止・発見・相談するために児童相談所が各地に設置されています。

これまでは東京都が各区に設置していましたが、地域に密着したきめ細かな対応ができるよう、特別区でも設置可能になりました。

そして2020年4月、特別区として初めての児童相談所が世田谷と江戸川区に設置され事業が開始されました。

最近の特別区におけるビッグニュースなので問われる可能性が高いと予想されます。

特別区が児童相談所を設置できるようになったのは非常に良いことですが、一方で人材確保と施設確保といったハード面での大きな課題があり足踏みしているのが現状です。

各区でそれぞれ人材と施設を用意しなければならないので、費用とノウハウが不足しているのです。

さらに、児童相談所設置に当たっては周辺住民からの反対も懸念されます。港区南青山地区で起きた住民の反対は記憶に新しいかと思います。

したがって、住民との綿密な話し合いと丁寧な合意形成も求められます。

地域ごとの課題

これまで特別区すべての区に当てはまる課題をみてきました。

もしかすると、あなたの志望動機、やりたい仕事と関連させることが難しいものばかりだったかもしれません。

そこで、特別区すべてとまではいきませんが、複数の区が抱える課題についても確認しておきましょう。

採用側も、特別区すべてに当てはまる内容はあまりないことは十分承知しているはずなので、ある程度の区に当てはまる内容であれば特別区一般として扱ってもよいでしょう。

その際の目安となるのが「ブロック」です。

特別区が協働して調査研究や政策検討を行う際、23区合同ではあまりに多すぎるので「ブロック」という単位に分かれて活動することが多いです。それぞれの区が所属するブロックを確認しましょう。

所属ブロック

第1ブロック:千代田、中央、港、新宿
第2ブロック:文京、台東、北、荒川
第3ブロック:品川、目黒、大田、世田谷、渋谷
第4ブロック:中野、杉並、豊島、板橋、練馬
第5ブロック:墨田、江東、足立、葛飾、江戸川

何となく似たような区が同じブロックにいるのが分かるかと思います。

これは、特別区の「行政順」で上から4~5区ずつグルーピングしているからです。行政順とは、明治時代からの風習で、千代田区を中心に「の」の字を書くようにして各区の順番を決めたことに由来します。

それが今でも公式の順番として色濃く残っているのです。

先輩合格者
先輩合格者

仕事で複数の区を記載するときに、行政順に並べなければ注意されることすらあります!

地理的に近く、協働する機会が多いということもあり、同じブロック内の区は似たような課題を持ちます。ちなみに研修等もブロック単位で行われるケースがあるので、同じブロックに所属する区とは何かと縁があったりします。

ざっと、各ブロックの課題を挙げてみました。

ブロック課題・トピック
第1人口急増、待機児童
第2高齢化、教育
第3帰宅困難者、住民参加
第4住環境保護、住民との協働
第5人口減少、高齢化、介護

課題や政策について調査する時は、ブロック単位でみてみると新たなヒントが得られるかもしれません。

まとめ

23区は独立した自治体の集まりですが、共通する課題がいくつもあることが分かりました。

特別区採用試験では、特定の区だけの課題や政策を語るわけにはいかないので、こうした共通課題についてしっかりと把握しておくことが重要です。

とはいえ課題調査や政策研究は、やり始めるとキリがないため時間が限られている中では厳しいというのが本音だと思います。

こうした事情もあり、特別区受験生は模範解答を使って勉強するのがメジャーとなっています。

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区政課題へ理解は、職員になった後も活きますので今のうちしっかりと理解しておきましょう!

あなたの合格と幸せな未来を願っています!