特別区職員によるぶっちゃけQ&A集

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特別区の若手職員のべ6名に、受験生の質問をぶっちゃけで回答していただきました。

ご協力いただいた職員の方々、ありがとうございました!

Q
──特別区を受けるか、東京都を受けるか迷っています。ぶっちゃけ、働いてみて東京都の方が良かったと思うことはありますか?
A

○東京都と特別区は仕事内容はもちろん、管轄も住民とのかかわり方も全然違います。だから少し厳しい言い方になりますが、東京都か特別区か迷っているというのはまだ自分のやりたいことが明確になっていない状態なんだと思います。なお、私は広域よりも狭く深く地域と接したかったので特別区のような基礎自治体しか頭にありませんでした。

○そうですね、僕も同じ意見です。もう少し自己分析をしてみて、どっちがフィットするか探ってみることが大事だと思います。
ちなみに区役所の同僚で「東京都に行けばよかった~」と言っている人は見たことありません笑
一方で、東京都の人と話すと「特別区に行けばよかった~」っていう人は結構います。僕の周りだけかもしれませんが笑

○あ~それは僕の周りも同じです笑 「プライドを重視するなら都庁、生活を重視するなら特別区」ってよく言われますが、やっぱりワークライフバランスに敵うものはありませんからね。といっても特別区だからといって激務から逃れられるわけではありません笑

Q
──特別区で公務員としてはたらきたいです。どこの区がおすすめですか?
A

○難しい質問ですね笑 自分のやりたいことや気質とマッチしている区が一番だとは思いますが、区政方針によってガラッと区の雰囲気が変わることもあるので何とも言えません。特に区長が変わると180度雰囲気が変わることもあるで。

○そうですね、だから最初は単純に「ここが好きだな~」くらいのノリで選んでもいいと思います。その区が好き!っていうのは最強の志望動機になりますし。好き!を具体的に言語化できる人は本当に強いです。ただ、どの区とご縁があるかは成績次第です。私なんかは希望3区に書いた区とはご縁が無く、まったく思いもしなかった区で働いています。でも、働けば都(みやこ)とでもいうのでしょうか、今ではすっかり大好きな区になっています!

○第一希望の区に入れる人って意外と少ないですよね。僕は幸い第一希望の区に入れましたが、同期は希望外で入区した人が結構います。僕は他の区ではたらく友だちが結構いるんですが、彼らの話を聴くと、希望外の区に入っても結果的にそこの区が好きになる人がほとんどみたいです。おそらく、どこの区も魅力があるからだと思います。あと、どこの区もそれなりに職場環境が良くて、生活するにも十分な待遇だというのも大きいかと。

○よく言われているのが、千代田はまじめ、杉並は学祭みたいなワイワイしたノリ、渋谷には美男美女が多い、みたいな笑 個人的にはかなり的を得ていると思いますので参考までに笑

Q
──希望ではない区に採用されました。別の区に異動したいのですが、どうすればいいですか?
A

○基本的に採用後は別の区に移ることはできません。介護など家庭の事情でやむを得ない場合のみ別の区への異動を申し出ることができます。しかも、行きたい区でも同じ事情の人がいて交換が成立する場合だけ異動できます。原則、こういった仕組みですので希望の区に行きたい、というだけでは認められません。

○そうですね、よほどの事情が無い限り難しいかと思います。年に数人いるかいないかといったところでしょう。なので、とにかく採用試験をがんばって好きな区に入れるようにするしかありません!

○内定後は「あの区に行きたかった~」とかいう人はいますけど、働き始めると何だかんだ親しんでいって、すっかりみんな馴染みますよ。

Q
──独学か予備校か、どっちがいいですか?
A

○人による、としか言えませんので周りがどうしようと自分に合った方を選ぶべきです。ちなみに僕は独学でした。

○僕は予備校にかよっていました。幸い、親が予備校のお金出してくれたので笑
 体感だと同期の6割が独学、4割が予備校って感じですかね~。昔はほとんどみんな予備校いってたみたいですけど、今は独学が主流になっている気がします。ちなみに予備校組の9割はTACやLECといった大手ですね。昔からある大手はやっぱり強いです。

○私は最初予備校にかよってましたが、独学に切り替えました。いちいち講義を聞かなきゃいけないのでタイムパフォーマンスが悪いのと、最近は市販のテキストのクオリティがめっちゃ高いのにわざわざ予備校オリジナルテキストを使わなきゃいけないのが非効率的だと思ったので。本当にお金もったいなかったな~とは思います笑 でも予備校みたいな形式が合う人はいると思います。

○僕は予備校と独学のハイブリッドでした。独学じゃ厳しそうなミクロ経済、マクロ経済、民法だけ予備校で取って、それ以外は独学でした。教養科目、とくに数的や判断推理とかは市販のテキストがめっちゃ充実して分かりやすいので独学おすすめです。あと、「分からないところが聞ける」というのが予備校のメリットの一つとしてよく言われますが、今の時代、ネットにいくらでも解答がありますし、なんならSNSや知恵袋で聞けば丁寧に教えてくれます。
同僚からも「ハイブリッドが最強かもしれん・・・」とよく言われるので個人的には一押しです笑

Q
──内定後はどんなことをして過ごしましたか?
A

○残りの大学生活を楽しむことに全力を尽くしました!といっても、僕の世代はコロナでなにもできなかったですけど笑

○入区までになにかスキルを身に着けなきゃ!という気持ちがあるかもしれないですが、ぶっちゃけ何もしなくても大丈夫だと思います。実際に働いて見なければ学べないことばかりですし。
それでも何かやっておきたい!という人は、ITパスポートを取ることをお勧めします。
いまはどこの役所もどこの部署でもITスキルは最低限必要ですので、取っておくと自信がつきます!

○ITパスポート!私も取っておけばよかった笑 やっぱりITについて最低限でも知識があると全然違いますね~。私の同期にはMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)を取った子がいましたが、すごく役に立っているみたいです。

○すごい・・笑 私は特別区でITなんて必要ないでしょ!って思っていたので、いま必死で勉強中笑 ちなみに私は「若手行政官への推薦図書」を図書館で借りて読みまくりました。難しい本が多かったけど、なんか公務員としての心構えを学べた気がします!

Q
──東京都庁、国の省庁との関わりはどのくらいありますか?
A

○都庁や国に出向している職員は何人もいますし、逆に向こうから区役所に出向してきている人も常にいます。なので、人事的な関わりは一定程度ありますね。やっぱり部署によって関わりの濃淡は全然違って、関わりがゼロのところもあれば密なところもあります。

○ぶっちゃけパワーバランスは感じますね笑 やっぱりいまだに都庁や国は特別区よりも上、という認識がどこかにあるみたいです。特に都庁や国からくる調査対応がめっちゃめんどうです・・・
向こうからすれば「ちゃんとやってる?」といった感じなのでしょうが。

○調査対応めんどいは基礎自治体あるあるですよね~笑 「これいる?」って調査ばっかで本業が進まない涙 でも、国と特別区の板挟みにある都庁はほんとうに大変そうだなといつも感じます。国からは命令されるし、特別区からは反発されるしで笑

○あ~それは分かります笑 さらに都庁は住民とのダイレクトな接点がないので、特別区の協力をあおがなければいけないことが多いんですよね。で、特別区から渋い顔をされるという・・・ちなみに特別区財政調整交付金が多い区ほど都庁には従順という噂も笑

Q
──どうやって情報収集していましたか?
A

○基本的には区のHPですかね。あとは特別区人事委員会のホームページで説明会を聞いたりしてます。最近はzoomとかで家に居ながらみれるのでいいですね。

○僕はTwitterも見てました。ただ、変な情報やおかしな人もいるのでほどほどに付き合うのがいいと思います笑 たとえば誰かのアカウントを批判する人は即ブロック。マイナス発言を見るとマイナスな気持ちになってしまいますからね。

○僕は元公務員もブロックしました笑 実際に働いてみてわかりましたが、やっぱり辞めた人って何かしら問題があったから辞めた人が多いので。そんな人に限ってTwitterでは偉そうなこと言いますからね笑 情報の鮮度が古いことがめっちゃ多いので危険です。

○まあ、みんながみんな問題があったわけではないですが・・・でもまあTwitterは魔境ですね。 個人的には、Twitterによくいるおっさんおばさん講師たちも最近の事情を知らな過ぎてツッコミたくなることがあります。もうぶっちゃけ、受かるまでSNSは必要は無いと私は思います。行きたい区の予算資料と特別区主催の説明会だけで十分です。あともちろん、特別区合格研究会さんもマストです笑 やっぱり研究会さんは区や新聞社から依頼されてるくらいなので、それだけ信頼されているということですからね。

Q
──特別区職員の結婚、恋愛事情について教えてください?
A

○結婚している人はめっちゃ多いイメージです。しかも大体は20代で結婚してます。やっぱり公務員は結婚相手として人気なんだなと思います。とくに僕ら(20代)の親世代からすると結婚相手が公務員、しかも給料もわるくない都市部の公務員ともなると、かなりウケがいいです。実際に奥さんの両親に初めてあいさつしに行った時も、公務員ということでとても安心してくれました笑

○分かります!すごくウケがいいですよね!そういえば職場内結婚も多くないですか?それぞれの世代で必ず1組はいるイメージです!

○あと、特別区職員同士の結婚も多い。合同研修で出会ってそのまま結婚、っていうカップルも多いですね。もちろん、同じ区役所内での結婚も多い。ただ、最近の若手はマッチングアプリ使って外の人と付き合って結婚する人が多いかな~ おっさん世代は職場内が多かったけど、今は違うかも。

Q
──ぶっちゃけ、仕事は忙しい?辛かったりしますか?
A

○うーん、これは部署によりけりとしか言いようがありません!年中暇な部署もあれば、年中深夜まで残業する部署もある。役所は3年もいれば異動なので、いまは忙しくても次は暇かもしれない。逆もしかりです。そういう意味だと、人生設計が若干立てづらいかもしれませんね・・・若手の内はバリバリ働いて、子どもが生まれてからは抑えて、みたいな。

○でも、何となくその辺の事情は人事が配慮してくれている気がします。区によるかもしれませんが笑

○仕事をしていて辛いことはしょっちゅうあります。でもそれはどこで働いても同じです。特別区はチームで働くことが多いので、フォローしてくれる人が必ずいます。そこが救いですね。

Q
──優秀な人は窓口に配属されないって本当?
A

○いや、そんなことないでしょう。1番最初に配属される部署はガチャだと思っていいと思います。でも、そこから3~5年後に異動があると思いますが、異動先によってだんだんと優秀な人とそうでない人が分かってきます。

○区役所によってどの事業に注力しているのかが違いますので、どこ部署なら優秀、というのは一概にはいえません。とはいえ財政を司る部署は役所の中でトップクラスに優秀な人が集まるのは特別区も例外ではありません。

○区役所は部署によって仕事内容がまったく違うのに、不思議なことに優秀な人はどこいっても優秀なんですよね~

Q
──何歳くらいで管理職になれる?
A

○お、管理職になろうという意思があるだけで特別区としては嬉しいです笑 そうですね、早くて40くらいですかね。

○ですね。ちなみにキャリアを大雑把に説明すると、Ⅰ類採用ならまず5年目で主任試験という最初の昇任試験を受けることができます。これに合格すれば主任という役職になります。主任になってさらに5年ほど経つと係長級になります。なので、順調にいけば30半ばまでには係長ですね。そこから先は管理職になる意思があるかどうかでキャリアが変わってきます。係長級で実績を積んで試験をパスすれば課長補佐になります。そしてはやければ40歳前後で課長に登り詰めることができます。そこから先は部長ですが、これはぶっちゃけ年功序列が強いですね笑 ポストが空いて、さらに課長の中でも年配の人が部長になれるみたいな。

○区によって合格率は違いますが、5年目に受ける主任試験に合格できるかどうかで地味に同期間でモヤモヤが生まれます笑 正直、主任試験は勉強時間を確保できるくらい暇な部署の人が受かりやすい、というのはあります。自分は激務で勉強どころではなかったのに暇な奴が昇進していくシステムはどこの区も同じかと笑

○それはちょっと偏見がありそうですが、まあそういった面はありますよね~。でも忙しくてもうまく時間を確保して受かっている人もいますので、そこは文句言っても仕方ないです。

Q
──特別区は家賃が高いと思うけど、家はどうしてる?
A

○特別区エリアは家賃が高いので、実家から通えるならそうするのがいいと思います。特別区は若いうちの給料は都市部の物価と比して高いとは言えませんので。

○でも、探せばいくらでも手ごろな物件があるのも都市部のメリットですよね。マイナー路線や各駅鹿止まらない駅の近くとかが穴場ですかね。あと、区によっては住宅の借上げ制度があったり、職員住宅が充実してたりします。

○僕は同期4人と広い物件を借りてシェアハウスしてました笑 毎日修学旅行みたいで楽しかったですよ!

Q
──おすすめの参考書を教えてください。
A

○ド定番だけど畑中敦子先生のワニ本はおすすめです。あとは伊藤塾の民法はわかりやすくて良かったです。

○僕は丸ごとパスワードが良かったです。でも広く浅くなのでけっこう不安になります笑
 数的はスピード解説が好きでしたね。そんな解き方があったのか!というのが多くて参考になります。

○参考書は合う合わないが人によるので、やっぱり最強はスー過去です。これはガチです。

○論文は先輩からおすすめされたのでnoteの模範解答使ってました。ぶっちゃけ、一からリサーチしてたら時間がたりませんでした笑

○noteはピンキリなので、評価が高いやつ買っとけば間違いないですよね。少なくとも評価500以上のがいいです。あと、返金を受け付けていないnoteはゴミです笑 どんだけ自信ないんだよと思います。

○うわめっちゃわかります。あと、その人が出しているnote記事の全体的な評価も参考になります。全体的に評価が高いなら、当然ですが腕が確かなので信頼できます。

〇経済は最初でつまずかない経済学がとてもよかったです。私、経済学部ですが、講義よりもわかりやすかったです。

Q
──特別区を目指す方に一言をお願いします。
A

○数ある自治体の中でも特別区はダントツで仕事がおもしろく、将来性があると確信しています。やはり都市部のダイナミックさとスケールは他の自治体では味わえない醍醐味です。人口も財政も比較的安定していますので、生涯をかけて働けると思います。ぜひ、特別区にきてください!

○試験は本当に大変ですが、それだけの価値がある就職先だと思います。民間は転職が当たり前になり、ある意味で欧米的なドライで実力主義な環境になっていますが、特別区はいい意味で日本的な温かみのある職場です。少しでも魅力を感じたら、チャレンジしてみてください。待っています!

○特別区は今ピンチです。分厚いおっさん層がどんどん定年退職し、次世代が足りていません。でもこれは若手にとって大チャンスです。僕の経験からも、若手の意見を尊重して、若手にチャレンジさせてくれる機会が多いです。あなたのアイデアと行動力で特別区をよりよくしていきましょう!