知らなければ一発アウトもあり。特別区の論文ルールについて解説

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論文試験では論文ルールを守って書かなければ減点されてしまいます。とくに、特別区の論文試験は問題文が少し特殊なので優秀な受験生ですら一発不合格になるケースも頻繁にあります。

論文自体はよく書けているのに、ちょっとしたルール違反で減点・不合格にされるのは非常にもったいないことです。

そこで今回は、試験官の採点基準をもとに、減点されない正しい論文の書き方について解説していきます。

趣旨を押さえる

論文を書くうえで最も重要なのが趣旨の把握です。

いかに素晴らしい論文でも、問われている趣旨から外れた内容を論じていたならば論外になります。一発アウトです。

実は、優秀な受験生でも論文の趣旨を履き違えてしまい破滅する例が後を絶たちません。

というのも、特別区の論文試験は問題文が他の自治体と比してやや長いので、どこが趣旨なのか把握しづらいという事情があります。

しかし、あるコツさえ把握すれば趣旨を外すことは完全に無くなります。

令和元年度と平成30年度の論文課題を例に解説します。

  特別区では、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、多くの来日が予想される外国人観光客への対応を進めているところです。さらに、国内労働者人口の減少を背景とし、外国人労働者も増え続けています。それらに伴う多様な言語を話す外国人の増加は、地域社会に様々な課題を投げかけることが予想されます。

 このような状況を踏まえ、これら外国人の増加に伴い生じる新 たな課題に対して、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

特別区職員採用試験 令和元年度試験問題 http://www.tokyo23city.or.jp/saiyo/sikenmondai_r01/siken_pdf/ichirui/ronbun.pdf

 特別区では、安全・安心のまちづくりや環境負荷の軽減をはじめ、区政の様々な分野で住民と協働した取組みが展開されています。今後、人口減少や少子高齢化の進展など社会状況の変化により、地域の抱える課題がますます複雑・多様化する中にあっては、行政と住民が連携を深め、課題解決に取り組むことが更に重要となってきます。その基礎となるのが住民との信頼関係です。

 このような状況を踏まえ、住民との信頼関係の構築について、区政の第一線で住民と接する特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

特別区職員採用試験 令和元年度試験問題
http://www.tokyo23city.or.jp/saiyo/sikenmondai_30/siken_pdf/ichirui/ronbun.pdf

 

やはり、論文試験の問題文としてはやや長いです。

実はこの問題文、毎年同じ3つの構成になっているんです。

令和元年度

①特別区では、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、多くの来日が予想される外国人観光客への対応を進めているところです。さらに、国内労働者人口の減少を背景とし、外国人労働者も増え続けています。

②それらに伴う多様な言語を話す外国人の増加は、地域社会に様々な課題を投げかけることが予想されます。

③このような状況を踏まえ、これら外国人の増加に伴い生じる新たな課題に対して、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

このように次の3段構成になっていることがわかると思います。

① 特別区の状況
② ①の状況がもたらす特別区への課題・重要事項
③ ②の課題に対して特別区の職員としてどのように取り組むべきか?

これを踏まえて、平成30年度の出題も見てみましょう。

平成30年度

①特別区では、安全・安心のまちづくりや環境負荷の軽減をはじめ、区政の様々な分野で住民と協働した取組みが展開されています。

②今後、人口減少や少子高齢化の進展など社会状況の変化により、地域の抱える課題がますます複雑・多様化する中にあっては、行政と住民が連携を深め、課題解決に取り組むことが更に重要となってきます。その基礎となるのが住民との信頼関係です。

③このような状況を踏まえ、住民との信頼関係の構築について、区政の第一線で住民と接する特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

このように、平成30年度も同じ構成です。

特別区の状況→課題・重要事項→それに対して特別区の職員としてどのように取り組むべきか?という流れです。

毎年度同じ構成です。

長い問題文ですが、注目すべきは③特別区の職員としてどのように取り組むべきか?の部分です。

結局はこの最終行の内容が問われており、この問いかけに対して論文を書けばいいのです。

令和元年度なら「このような状況を踏まえ、これら外国人の増加に伴い生じる新たな課題に対して、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。」の部分です。ここが問われています。

多くの受験生はつい前半部分に気を取られてしまいがちです。

そうなると「オリンピック・パラリンピック」について論じたり「外国人労働者」について論じてしまう受験生もでてきます。

しかしこれは間違いです。出題趣旨からズレているので一発不合格になります。

問われているのは最終行にある通り「外国人の増加」です。

特別区は論文試験の配点が異常に高いので、受験生のためにわざわざ問題文で状況説明をしてくれていますが、逆に受験生を惑わせてしまっているのが実情です。

問題文の前半はあくまで状況説明です。後で解説しますが、序論に活かすのが正しい使い方です。

問題の趣旨、つまり解答すべき内容は最終行のみだということを肝に銘じてください!

先輩合格者
先輩合格者

趣旨から外れないように、本番では問題文の最終行を丸で囲みました!

 

「特別区の職員として」書くことを意識する

特別区論文試験の問題文は必ず「特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。」という一文があります。

実際に令和元年度と平成30年度に出題された問題文を見てみましょう。

  特別区では、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、多くの来日が予想される外国人観光客への対応を進めているところです。さらに、国内労働者人口の減少を背景とし、外国人労働者も増え続けています。それらに伴う多様な言語を話す外国人の増加は、地域社会に様々な課題を投げかけることが予想されます。

 このような状況を踏まえ、これら外国人の増加に伴い生じる新 たな課題に対して、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

特別区職員採用試験 令和元年度試験問題 http://www.tokyo23city.or.jp/saiyo/sikenmondai_r01/siken_pdf/ichirui/ronbun.pdf

 特別区では、安全・安心のまちづくりや環境負荷の軽減をはじめ、区政の様々な分野で住民と協働した取組みが展開されています。今後、人口減少や少子高齢化の進展など社会状況の変化により、地域の抱える課題がますます複雑・多様化する中にあっては、行政と住民が連携を深め、課題解決に取り組むことが更に重要となってきます。その基礎となるのが住民との信頼関係です。

 このような状況を踏まえ、住民との信頼関係の構築について、区政の第一線で住民と接する特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

特別区職員採用試験 令和元年度試験問題
http://www.tokyo23city.or.jp/saiyo/sikenmondai_30/siken_pdf/ichirui/ronbun.pdf

 

このように、特別区の職員目線で書くことを明記しています。

したがって、特別区の職員の目線で書いていない、特別区職員にはできないことを書いてしまった場合減点対象になります。

例えば、課題解決策として法改正を挙げてしまうと、不合格になります。特別区職員は法律や憲法を改正することができないからです。

ありがちなのが、許認可の基準を下げる、補助金の交付という解決策を挙げてしまうことです。

たしかに実際の現場では許認可基準の見直しや補助金の交付を行うこともありますが、論文試験の解決策としては好まれません。

なぜならば、アイディアがみられないからです。特別区の職員ではなくとも誰でも思い付くような内容は、点数にはなりません。

また、許認可基準の変更や補助金による解決は最終手段であり、通常はもっとソフトな解決策が望まれます。

特に好まれるのが、「協働」です。これは重要なワードですのでぜひ覚えておいてください。

住民との協力や、企業・大学の橋渡しなど、職員の積極的なコミュニケーションによる課題解決が大変好まれます。

いやいや、お金による解決のほうが確実で有効じゃないか。と思うかもしれません。しかし、学術論文や意見論文ではなく、あくまで試験ですので受験生らしい若干青臭いような解答の方が高得点になります。

 

論文のルールを守る

減点のほとんどは論文の書き方のルールが守られていないことです。優秀な受験生でも減点が積み重なり不合格になってしまうケースもしばしばあります。知ってさえいれば減点ゼロにできるものばかりですので、必ずすべて押さえておきましょう。

字数過不足

指定された字数の超過、不足はその場で不合格になります。採点官からすれば最も分かりやすいのである意味ありがたい基準です。

特別区採用試験の論文問題には「字数は 1,000 字以上 1,500 字程度です。」と記載されています。

したがって、1000字未満、1500字より多い文字数は一発不合格です。これは絶対に注意してください。

では、どの程度の文字数が適切なのかというと、最大字数の8割以上、つまり1200字以上書くことが推奨されています。

これは、趣旨に沿った論文を不足なく十分に書ききった場合、少なくとも1200字は使うはずだという意味です。

1200字に満たないから減点される、ということはありませんが、どこかで内容が不十分だったり書き洩らしがあると考えられます。したがって、結果的にその部分で減点されることになります。

実際に書いてみて1200字に満たない場合は、急いで内容を見返す必要があります。

ただし、終了時間が迫っている場合は無暗に修正するのではなく、誤字脱字のチェックを行った方が安全です。

 

誤字脱字、言葉遣い

これも採点官にとっては分かりやすい減点基準です。

誤字脱字1つにつき何点マイナスといった基準があり、優秀な受験生でもつい何点か落としてしまいがちです。

あまりにもったいないミスですので、なんとしても減点ゼロを目指しましょう。

よくある間違いについてまとめましたので、ご覧ください。

【 誤字・脱字 】

  • (×)確立 → (○)確率 ※パーセンテージのことを指す場合
  • (×)完壁 → (○)完璧
  • (×)革進 → (○)革新
  • (×)廃除 → (○)排除 ※廃除は法律用語のみ
  • (×)不可決 → (○)不可欠
  • (×)保管関係 → (○)補完関係
  • (×)特長 → (○)特徴    ※「特長」は目立った長所という意味。
  • (×)適格 → (○)的確、適確 ※「適格」は資格を満たすという意味。
  • (×)低抗 → (○)抵抗 
  • (×)連形 → (○)連携
  • (×)初める → (○)始める
  • (△)シュミレーション→ (○)シミュレーション
  • (△)コンピュータ→ (○)コンピューター
  • 「追及」は相手の責任などを問う、「追求」は追い求める。例)安全性の追求

【論文らしい表現】

論文・レポートらしい表現が最も参考になります。

「とても」は「きわめて」にする、「思う」は「である」「考えられる」にする等。

【漢字が分からない場合】

たとえば、形骸化の「がい」の字が分からない場合、形がい化と書いてしまうと減点。熟語全体を漢字で書けないときは、形式化など別の表現に置き換えること。

【敬称は必要ない】

  • (×)区民の方 → (○)区民
  • (×)区長様 → (○)区長
  • (×)議員様 → (○)議員

 

論文の作法を守っていない

論文にはいくつかの作法があります。

したがって、これを守らないと減点対象になってしまいます。

以下に論文の作法をまとめました。少し多いですが、論文をいくつか書けばすぐに慣れるはずです。

論文の作法
  • 題名は不要。1行目から本文を書く。
  • 一番はじめの書き出しは、1マスあける。
  • 段落の始まりは、必ず改行する。また、段落の書き出しは1マスあける。「(カギカッコ)などの記号ではじまる場合でも、1マスあけ、「 を2マス目に入れて書き出す。
  • 。 (句点) 、 (読点) 「 」 (カギカッコ)は1マス使う。ただし、これらが行のはじめのマスにきてしまう場合は、前の行の最後の文字と一緒に1マスに入れる。
    最終行最終マスだけは文字と句点、読点、カギカッコは一緒にできない。もし1マスに一緒にしてしまうと字数オーバーとみなされて一発不合格。
  • 。 (句点)と 」 (閉じカッコ)は、一緒のマスに入れる。
  • !(感嘆符)、?(疑問符)、…(三点リーダー)の記号を使ってはいけない。
  • 特別区の論文は横書きなので、英数字(1、2、3…)を使うのが原則。2文字以上ならば、1マスに2文字ずつ入れる。 例)2021を書く場合、1マス目に20、2マス目に21と書く。
  • アルファベットは原則、大文字なら1文字1マス、小文字は2文字1マスに書く。

 

字が汚い

読めないような文字が1つでもあれば大幅減点の恐れがあります。また、細かい漢字を書くときに、どこかの画が潰れてしまうことで減点されることもありえます。たとえば、衤(ころもへん)の画が1つ潰れてしまうケースはよくあります。

また、書き方が曖昧な漢字をわざと雑に書いて誤魔化す人もいますが、これは絶対にやめてください。誤字として認識されて減点になります。

文字のきれいさは主観的なものなので、読めさえすれば減点はされません。

しかし、きれいな文字であれば文章に説得力が増すという心理学的事実があります。同じような内容を書いたとしても文字がきれいな方が加点される可能性が高いです。

文字の綺麗さは一朝一夕でどうにかなるものではありませんので、普段からできるだけ丁寧な字を心がけてみてください。

文体が統一されていない

文体には大きく分けて「です・ます調」(敬体)と「だ・である調」(常体)があります。論文では「です・ます調」(敬体)は好まれないので「だ・である調」(常体)を使ってください。

もし敬体と常体を混在してしまった場合は大きく減点されてしまうので注意が必要です。

 

まとめ

何度言っても足りないくらいですが、論文は最重要科目です。論文の出来次第で合否が決まります。順位が決まります。将来が決まります。

絶対に避けては通れない科目なので、全力をかけて対策してください!

それでは、あなたの合格と幸せな未来を願っています!