過去問からの出題が非常に多いのが特別区採用試験です。
過去問を制す者が特別区を制すともいわれていますので、過去問を解くことが最大の試験対策になります。
ところが、いざ特別区の過去問を解こう!と思い立っても、市販の過去問集ではせいぜい5年分しか載っていないケースがほとんどです。
確実に合格したい場合、過去問は少なくとも10年分は解きたいところですが、5年より昔の過去問は意外と見つからないものです。
実は、特別区の過去問って意外と入手困難なんです。
独学の私にとって過去問入手は一苦労でした。。
でも、裏ワザがあります!
特別区の過去問集と言えば、過去問500やTACの過去問集 が有名ですが、それらの10年分以上前のものを無料で利用できる裏ワザがあるんです!
結論から言うと、裏ワザとは「国立国会図書館」を使うことです。
国立国会図書館ってなんだ?と思う方がほとんどかと思いますので、利用登録から過去問入手まで詳しく解説していきたいと思います!
国立国会図書館で特別区の過去問を入手する方法を徹底解説!
そもそも国立国会図書館とは?
国立国会図書館は、国会議事堂付近にある超大型の図書館です。
Wikipediaの解説が最もわかりやすいので、引用します。
日本の国会議員の調査研究、行政、ならびに日本国民のために奉仕する図書館である。また、納本制度に基づいて、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
注目して欲しいのが、『日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館である。』 という点です。
つまり、過去から現在に至るまでありとあらゆる出版物が保存されているのです。
はじめて聞いたときは、こんな施設があるなんて!と驚きました。
さて、すべての出版物が保管されているということは、市販の特別区採用試験の過去問も当然保管されています。
たとえば、過去問500やTACの過去問集も一番古いものから最新のものまですべてあります。
試しに国立国会図書館の蔵書を見てみましょう(蔵書検索)。
こちらが「特別区 過去問」で検索した結果の一部です↓。
過去問500シリーズの2005年度版なんてものまであります(当時は過去問400だったんですね!)。
いままで出版された本で保管されていないものはないので、欲しい過去問は必ず見つかります。
当然、ここに出てくる本はすべて館内で閲覧可能です。
書き込みのない、ほぼ新品の過去問集をいくらでも昔に遡って解くことができるので、重宝しました!
利用方法
国立国会図書館ホームページにも利用方法が書いてありますが、それをかみ砕いてお伝えします。
①利用者カードを作る
国立国会図書館には本館と新館があります。
図書は本館、雑誌は新館にありますので、過去問集を閲覧したい場合は本館を利用することになります。
ところが、初めて国立国会図書館を利用する場合はまず、新館で利用者カードを発行しなければなりません。
したがって、まずは新館の利用者登録カウンターでカード発行手続をしてください。
手続には、氏名、現住所、生年月日が記載 された本人確認書類(免許証、保険証等)が必要です。
もちろん無料で発行できます。込み具合によりますが、10分程度で発行完了です。
②入館前に持ち物をコインロッカーにしまう
ここが国立国会図書館のすごいところですが、入館ゲートをくぐる前に次の持ち込み禁止物をコインロッカーにしまわなければなりません。コインロッカーは100円で、利用後は返却されます。
不透明な袋物がNGなので、かばんやリュックも持ち込み禁止です。
なので、財布、筆記用具、貴重品などは備え付けの透明袋に入れて入館することになります。
セキュリティがかなり厳しいですが、非日常な感じがして面白いですよ!
③入館ゲートに登録利用者カードをタッチして入館
駅の改札と同じイメージです。このゲートから先が国立国会図書館になります。
過去問入手方法
さて、入館まで完了できたとします。次に過去問を入手する方法を解説します。
①館内のパソコンで閲覧申請をする
過去問集は本棚を探しても見つかりません。
すべての図書が本棚にあるわけではなく、ほとんどが書庫に保管されているからです。
ですので、館内にあるパソコンから閲覧したい本を申請して、書庫から本が運び出されるのを待たなければいけません。
パソコンは館内に何十台もあり、利用方法マニュアルが備え付けてあります。なので、それに従えば簡単に閲覧申請できます。
混雑状況にもよりますが、申請から30分ほどで本が用意されます。
②本(過去問集)を受け取る
申請した本が用意できたという案内がパソコンに届きます。
その後、館内の受け取りカウンターで利用者カードを見せると、本を受け取ることができます。
③コピーを取る
受け取った過去問集は当然書き込み禁止です。
また、図書館を出る際は返却しなければなりません。
ですが、コピーは取ることはできます。
コピーならばあとでもう一度家で解くこともできますし、重要な問題にマーカーをひくこともできます。
ただし、国立国会図書館ではコピーのルールも厳格に定められています。
コピーしたいページに付箋をはって、コピー受付カウンターの職員に本を渡します。
そして、コピー完了を待ちます。少なくとも大体10分はかかると思います。
完了したら、受取カウンターでコピー料を支払い、コピーを受け取ります。
コピー受付以外にコピー機はないので、来館者が自分でコピーすることはできません。
少し手間ですが、必ずこの流れでコピーを行わなくてはなりません。
詳しくは館内備え付けのマニュアルがありますので、そちらを見れば手順はすぐに分かると思います。
国立国会図書館で特別区の過去問を使うときの注意点
本の貸し出しは行っていない
普通の図書館と違って「貸し出し」のサービスはありません。
館内でのみ閲覧が可能です。図書をすべて返却してから退館します。
なので、過去問を解く場合は館内の利用時間に注意しなければなりません。
もしくは、コピーをとって家に持ち帰る必要があります。
本の予約が取れない場合も
国立国会図書館で過去問集を入手しようと考える受験生は他にもいます。
ところが、過去問集の数は限られていますので他の人に貸し出されている場合は待たなくてはなりません。
なので、会館直後に行く受験生もいるくらいです。
試験直前は特に込み合いますので、早めに行って過去問をコピーしておくというのも一つの手段です。
その他の特別区過去問の入手方法
国立国会図書館は館内利用が大前提なので、すこし利用し辛いかもしれません。
そこで、他の過去問入手方法もお伝えします。
ただし、どの方法も大きな欠点があるため、おすすめはやはり国立国会図書館を利用することです。
中古の過去問を使う
Amazonや古本屋には昔の過去問集が売っていることがあります。しかし、実際に買った方の話を聞くと、あまりお勧めできないそうです。
というのも、中古の過去問は書き込みがされている場合が多いので、まともに使うことができないとのことです。
かといって未使用新品の過去問はプレミアがついて高値で取引されています。
したがって、中古の過去問はよほどのことが無い限りあまりおすすめできません。
特別区採用試験ホームページ
特別区採用ホームページに 過去3年分の問題が載っています。しかし、回答解説がありませんし文章理解の問題は著作権等により掲載されていません。
はっきり言ってまったく使い物になりません笑
受験を決意した当初に、こんな問題もあるんだなと眺める程度に使うのがいいでしょう。
各区HP、区政会館でコピー
特別区採用試験ホームページに記載があるとおり、各区の庁舎や飯田橋にある区政会館で過去問を公表しており、閲覧したり、コピーを取ることができます。
したがって、だいたい年明けぐらいから区政会館の4Fはコピー待ちの受験生が増えてきます。特別区採用試験ホームページで公開されている過去と違って、文章理解の問題もしっかり掲載されています。
ここの良い点は相当昔の過去問も入手できる点です。解説はついておらず、解答しかないのが欠点です。
なので、間違えた問題はなぜ間違えたのか自分で考えなくてはなりません。
特別区の過去問は意外と入手困難!
特別区採用試験にとって過去問は非常に重要です。教養試験・専門試験にかんしては過去問を解いて解いてときまくるのが合格への最短ルートです。
予備校に通わずとも過去問をがっちり手に入れることができる独学最強の施設である国立国会図書館。
少し遠いかもしれませんが、一度は訪ねてみる価値は必ずあります!
それでは、あなたの合格と幸せな未来を願っています!
ただし、特別区に合格するためには論文・面接を避けては通れません。
なぜならば、特別区は論文・面接の配点が異常に高いことで知られているからです。
この通り、教養・専門の点数がどれだけあっても簡単に逆転が起こります。
したがって、特別区に特化した論文・面接対策を取ることが非常に重要です。万全の対策をして、確実に合格を掴みましょう!