人口予測からみた「将来性のある区ランキング」 希望区選びに必見です!

希望区比較
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特別区のような基礎自治体(市区町村)にとって、人口は「命」です。

人口が増えればそれだけ税収が増え、まちは活性化します。

一方で人口が減ると、税収が減り財政が脆弱になります。

また、そもそも住民がいなければ自治体は存在意義がなくなるので消滅してしまうかもしれません。

全国には消滅の危機に瀕している自治体が数多く存在します。

このように人口は、自治体の根幹にかかわる非常に大事な要素です。

しかし、日本は全体的に人口減少傾向にあるため、いま人口が安定している自治体でも将来的には大きく減る可能性があります。

そこで今回は、重要な指標である「将来人口」について特別区を比較分析したいと思います!

使用するデータは、2045年までの人口予測です。というと、これから特別区職員になる方にとっては40〜50代の頃です。まだまだ現役、多くの人は重要なポストを担っている頃でしょう。

その頃に各区の人口はどうなっているのか。あなたの希望区選びの参考になれば幸いです。

 

※当記事のデータは厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口』を使用。

人口予測からみた、将来性のある特別区ランキング

さっそくですが、こちらがランキングです!

2015202020252030203520402045
中央区100.0110.4118.7125.2129.9133.1134.9
港区100.0111.0119.4125.8130.2132.9134.4
千代田区100.0111.3120.0126.2130.0132.1132.8
江東区100.0105.6109.8112.9115.0116.2116.7
台東区100.0104.6108.6111.9114.3115.8116.4
品川区100.0104.5108.2110.9112.8113.8114.2
文京区100.0105.1108.8111.3112.9113.5113.3
練馬区100.0103.8106.5108.4109.8110.3110.1
板橋区100.0103.7106.1107.8108.7109.0108.6
渋谷区100.0102.6105.1107.0108.2108.6108.3
目黒区100.0103.1105.3106.9108.0108.4108.2
荒川区100.0102.8104.9106.5107.5108.0107.9
墨田区100.0102.0103.7104.8105.4105.6105.4
杉並区100.0101.6103.3104.7105.3105.2104.6
大田区100.0102.4104.1105.0105.4105.2104.6
新宿区100.0102.0102.9103.3103.2102.5101.3
世田谷区100.0101.2101.9102.5102.6102.1101.2
豊島区100.0100.2100.6101.0101.5101.5100.9
中野区100.0100.2100.1100.1100.2100.099.2
北区100.0100.7101.0100.9100.499.798.6
江戸川区100.099.498.096.394.692.991.0
葛飾区100.099.197.896.294.592.891.0
足立区100.098.296.093.791.589.587.4

※2015年の人口を100としたときの比率を表している。

このランキングは、2015年の人口を100としたときに30年後の2045年の人口はどのくらい増減するのかを表しています。

100を超えていれば2015年よりも人口は増えているということになります。

たとえばトップの中央区は、2045年には2015年よりも30%以上も人口が増えると予測されています。人口減少傾向にある日本でこの増加率は驚異的です!

将来人口を5つのランクに分ける

将来人口予測によって23区は5つのランクに分類できます。

  • Aランク:ダントツで人口が伸び続ける区
  • Bランク:人口が伸び続ける区
  • Cランク:2040年から人口減に転じる区
  • Dランク:2035年から人口減に転じる区
  • Eランク:人口が下がり続ける区

それぞれのランクで該当する区はこちらになります。

ちなみに横浜市とさいたま市はD~E、川崎市はD、千葉市と相模原市はEです。

有名政令指定都市と比較しても、多くの特別区は将来有望だということがわかります。

特別区間での比較ではいまいちでも、全国的にみるとほとんどの区はとても有望です。将来的に大幅な人口減はみられません。

さて、各ランクの人口推移予測をグラフで表すとこうなります。(それぞれのランクに該当する区の平均値をプロットした)

こうしてみると、Aランク(千代田、港、中央)では圧倒的に人口が伸び続けることがわかります。向こう30年近くは上り調子と言って間違いないでしょう。

B~Dランクは、2045年時点でも2015年より人口は多いと予想されていますので、あなたが定年まで特別区で働いてもまだまだ安泰の可能性は高いといえます。

Eランクは既に人口減少フェーズに突入していますが、緩やかです。

Eランクの区を希望する場合は、面接などで人口減に対する理解と対応策を述べることができると、他の受験生と大きく差をつけることができます。

特別区のような基礎自治体は、なぜ人口が重要なのか?

冒頭で申し上げた通り、特別区のような基礎自治(市区町村)にとって、人口は非常に大切な要素です。

人口が大切な理由をものすごくザックリ説明しますと、人口が増えるとそれだけ税収が増え、財政が豊かになるからです。

特別区のような基礎自治体(市区町村)のもっとも重要な財源は「住民が納める税金」です。住民税などがそれにあたります。

 

財源はそのほかにも「地方債」や「国・都道府県からの支出金」などもあります。

しかし、支出金は自主財源ではない、地方債は借金であるため使い勝手が悪いという欠点があります。

一方で「住民が収める税金」は違います。

健全かつ自主的な財源です。

国・都道府県からの支出金のような依存財源は急に減額されることもありますが、住民税や所得税は安定しています。

したがって、人口が増えるということは単純に考えて今よりも自主財源が増えるということなので、より豊かで自主的な自治体運営ができるということです。

逆に人口が減ると、自治体運営がそれだけ厳しくなります。そうなると、特別区といえども財源が確保できず財政破綻する可能性はゼロではありません。

 

また、財政面以外でも人口は重要です。

たとえばもし住民が減少すれば、行政サービスの需要も減ります。

すると、行政サービスを提供する公務員そのものが必要なくなり、職員数削減が行われます。

少子化により採用できる人数が減りますので、今いる職員から削減していく可能性もゼロではありません。

とはいえ、特別区は全国と比べて人口減少率が緩やかなのでどこの区でも過度に悲観することはまったくありません。

この他にも人口の重要性を示す要素はいくつもありますが、専門的に話すときりがないのが人口です。

人口が自治体の「命」だということだけは覚えておいてください。

 

人口増は特別区にとっていいことだが、注意点も

人口増加は区にとって喜ばしいことです。

「ここに住みたい!」と思っていただける方が増えたということなので、区職員としては冥利に尽きます。

ただし、忘れてはならないことがあります。

それは、人口が増えればそれだけ多くの行政サービスが求められるということです。

人口が増えれば増えるほど、行政サービスの需要も増えます。すると、区職員もそれに応えるべく仕事量が当然増えますので、日々忙しくなります。

また、人口が増えればそれだけ多様なニーズも生まれます。

たとえば江東区ではタワーマンション建設ラッシュにより人口が一気に増えたことで、今まではなかったような問題やニーズが大量に発生しました。

職員数と違って、人口は一気に増えます。

人口が急増しても、職員は急には増やせません。ですので、少ない職員数で多大な住民ニーズに応えていかなければなりません。

人口増は職員の仕事量増につながるので、少し負担かもしれません。 

しかし、自分がはたらく区が評価されているということに喜びを感じ、住むことを選んでくださった区民に対して感謝をもって接することができてこそ、特別区の職員として相応しい心持ちだと思います。

 

特別区と人口についてまとめ

今回の記事が希望区選びの参考になったならば幸いです。人口は自治体の「命」ということは覚えておいてください。

特別区は全国と比べて将来的にも大変安定した自治体です。

というより、データをみると向こう30年で特別区ほど安定した自治体は、実はほとんどありません。

今後、横浜市やさいたま市といった主要政令指定都市ですら厳しい状況に置かれます。

特別区の安定性は非常に高いので、合格を勝ち取れば将来にわたって安定した生活が待っているといえます。

ただし、特別区に合格するためには論文・面接を避けては通れません。

なぜならば、特別区は論文・面接の配点が異常に高いことで知られているからです。

この通り、教養・専門の点数がどれだけあっても簡単に逆転が起こります。

したがって、特別区に特化した論文・面接対策を取ることが非常に重要です。万全の対策をして、確実に合格を掴みましょう!