「特別区の残業時間ってどのくらいだろう?」
公務員を目指す理由のひとつとして、ワークライフバランスの充実が挙げられると思います。
ワークライフバランスを計るメジャーな指標として残業時間が挙げられますが、特別区をはじめほとんどの自治体は受験生に向けて残業時間を公表していません。
志望先を選ぶにあたって、残業時間という重要な情報が無いのは不安ですよね。
そこで今回は総務省や各区のデータから残業時間について算出し、特別区の比較をしたいと思います!
結論から言うと、区によって残業時間がかなり異なります!
残業時間は希望区選び重要な基準になることだと思いますので、さっそく見ていきましょう!
23区残業時間ランキング

さっそくですが、こちらがランキングです!
・人事行政の運営等の状況
・総務省|地方公務員における働き方改革に係る状況 ―令和3年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要―(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02gyosei11_04000122.html)
・OpenWork 残業と有休 10年の変化 OpenWork 働きがい研究所(https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_91)
比較のために東京都、関東の政令指定都市、民間・公務員すべての業種平均も記載しています。
新型コロナウィルスも落ち着きつつあるので、残業時間はかなり改善しています。
全業種平均は24時間ということですので、特別区は民間企業や政令指定都市と比べて非常にワークライフバランスが充実していることがわかります!
職員になってからの生活を考えると、特別区職員はたいへん魅力的な職場ですね!

たしかに民間や他自治体の友人と比べてかなり早く帰れます!
おもしろいのが、残業時間は区の人口や地理、財政と相関がないことです。
都心区だから残業時間が多い、人口が少ないから残業時間が少ないなどといった傾向がみられません。
残業時間は各区の「職場内」の伝統や環境に依存しているといえます。したがって、今後もこの残業時間に大きな変化はないと見込まれます。
サービス残業はあるのか?

結論から言うと、ほぼサービス残業はありません。
正確に言うと、上司からサービス残業をお願いされることはまずありません。サービス残業があるとしたら、個人の判断で残業申請しない場合です。
たとえば、本来ですと15分や30分単位でも残業時間は申請できますが、1時間に満たない残業は申請しない人も結構います。
特別区にサービス残業が少ない理由ですが、部署ごとに予算の上限がありその範囲内で業務が割り振られるからです。
公務員組織では部署ごとに予算が割り振られ、その予算の中から残業手当が支給されます。
したがって、支給できる残業手当には上限ができます。
大抵の部署ではこの残業代の枠に納まる業務量になるよう調整されますので、サービス残業が発生することはほとんどありません。
しかし、なかには調整が甘く支給できる残業代が底をつく部署もあります。
その場合、管理職や労働組合・職員のなどが調整して、なんとかして残業代を確保するケースもあります。
究極の場合ストライキのような行為にでることすらあります。(公務員にストライキはできないと思っていましたが、準ずる行為はけっこうあるみたいです笑)
さて、労働組合という言葉がでてきましたので簡単に説明します。
労働組合とは簡単に言うと、「職員の労働改善を求める職員による団体」です。
特別区は労働組合が非常に強いです。
たとえば2018年に、特別区職員の給料を下げる勧告がありましたが、労働組合のはたらきにより見送りになりました。
入区して職員になれば分かりますが、特別区の労働組合はほんとうに活動的で熱心です!
サービス残業などの職場環境悪化に対して常に目を光らせています。

職員として本当に心強いです!
民間企業では労働組合がそもそもなかったり、あったとしても形式的なものがほとんどです。
たいていの場合、経営層の言いなりです。
ほかの自治体と比べても、特別区ほど強力な労働組合はないので、職員としては非常にたのもしい存在といえます!
部署、時期によって残業時間は変わる

公務員組織は大抵そうなんですが、部署によって忙しさがまったく違います。
ある部署では終電近くまで働き。ある部署は毎日定時、有給全消化はよくあることです。
したがって、残業時間は部署による、というのが本当のところです。
ただ、公務員組織の特徴として3~5年周期で異動があります。
特別区もほとんどの場合3~5年間同じ部署にいたら、次の部署に異動することになります。

ですので、いま忙しい部署にいても3年後は楽な部署に行けるかもしれません!逆もしかりです。
また、部署によって繫忙期というものがあります。
たとえば、税務の部署ならば当初課税前の時期が忙しく、財政の部署なら来年度予算策定の時期が忙しくなります。
したがって、忙しい時期とそうでない時期がはっきりしいる部署は「季節労働者」なんて形容されることもあります笑
繫忙期が忙しい分、それ以外の時期は非常に休みやすいのが特徴です。

有休をまとめて消化して海外旅行に行くひともたくさんいますよ!
本庁と本庁以外で残業時間は違う

自治体には行政機能の根幹を担う本庁と、本庁の機能を補助・拡張する出先機関、出張所があります。
多くの人は本庁ではたらくことになりますが、長い公務員生活のなかで何度かは本庁以外での勤務も経験するかと思います。
大抵の場合、出先機関や出張所はほとんど残業はありません。
ということは、上のグラフで示した月平均残業時間は本庁勤務の場合、もう少し上がるということです。
たとえば、上のグラフで東京都庁の月平均残業時間は14.7時間になっています。
ただしこれは残業時間がきわめて少ない出先機関も含めての時間です。
本庁の残業時間はこれの2~3倍程度あるとみてよいでしょう。
同じことは特別区にも言えます。
特別区にも出張所などの本庁以外の職場がありますが、やはり本庁よりも残業時間はかなり少ないです。
ただし、東京都庁とちがって出先機関はかなり少ないので、ほぼランキングで示した通りの残業時間だと思って頂いて構いません。
まとめ
今回の記事ではブラックボックスになっている残業時間を統計によって明るみに出しました。
働き方改革が叫ばれている昨今ですが、特別区でもその影響はかなりあります。
ただし、区によってその取り組み度合いにかなり差があります。

僕の区では、在宅ワークが可能です!毎週1日以上在宅ワークしている人もいます。
今回の記事を参考にしつつ希望区を考えていただければ幸いです。
これまで見てきた統計からも分かる通り、特別区はワークライフバランスが充実しているたいへん優れた職場です。
安定した公務員ライフを送るには、この上ない職場です!
それだけに人気の自治体ですが、合格を勝ち取れば素晴らしい生活が待っているといえます。
ただし、特別区に合格するためには論文・面接を避けては通れません。
なぜならば、特別区は論文・面接の配点が異常に高いことで知られているからです。

この通り、教養・専門の点数がどれだけあっても簡単に逆転が起こります。
したがって、特別区に特化した論文・面接対策を取ることが非常に重要です。万全の対策をして、確実に合格を掴みましょう!