特別区(東京23区)のⅢ類採用試験は、高校卒業程度の試験です。学歴の条件はなく、年齢さえ合えば、高校生も大学生も専門学校生も受けられます。
令和8年度(2026年度)からは、これまでの事務に加えて技術系(土木・造園・建築・機械・電気)の区分も加わりました。この記事では、令和8年度の試験案内と実施状況をもとに、Ⅲ類の試験内容・倍率・日程をまとめます。
ポイント:令和8年度の技術系は、第1次試験の受験者数が採用予定数を大きく下回りました。高卒程度で技術職を目指す人には、かなりの狙い目です。
特別区Ⅲ類採用試験の概要
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 受験資格 | 平成17年(2005年)4月2日~平成21年(2009年)4月1日生まれ。学歴の条件なし |
| 試験区分 | 事務(一般事務)、土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気 |
| 採用予定数 | 合計215名程度(事務130名、土木25名、造園7名、建築29名、機械12名、電気12名) |
| 第1次試験 | 事務:教養試験・作文 技術系:専門試験 |
| 第2次試験 | 個別面接 |
| 採用時期 | 原則として令和9年(2027年)4月1日以降 |
| 名簿の有効期間 | 原則1年 |
令和7年度のⅢ類は事務だけで、採用予定は172名でした。令和8年度は事務の採用予定が130名に減った一方で、技術系の5区分が加わり、全体では215名に増えています。
仕事の内容
- 事務:区役所の本庁の各課、出張所、保健所、福祉事務所などでの一般行政事務
- 土木:道路・橋・河川・公園などの計画、設計、工事、維持管理
- 造園:街路樹や公園の設計、工事、維持管理、樹木の保護
- 建築:まちづくりの計画、公共建築物の設計・維持管理、建築確認や検査
- 機械・電気:機械・電気設備の計画、設計、工事の監督、維持管理
配属先によっては、交替制勤務や夜間勤務がある場合もあります。
試験の内容
事務(一般事務)
- 教養試験(2時間):五肢択一式で50題中45題を解答。知能分野(文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間概念)28題は必須、知識分野(人文科学・社会科学・自然科学など)は22題中17題を選んで解答します。
- 作文(1時間20分):1題必須で、600字以上1,000字程度
教養試験の半分以上を占める知能分野は、出題の形式に慣れるほど点が伸びます。問題集を繰り返し解いて、時間内に解き切る練習をしておきましょう。
技術系(土木・造園・建築・機械・電気)
- 専門試験(1時間30分):五肢択一式で30題すべて必須。区分ごとの専門知識が出題されます。
技術系は教養試験も作文もなく、第1次試験は専門試験だけです。工業高校や高専で学んだ内容がそのまま生かせます。
第2次試験(全区分共通)
人物と職務に関連する知識などについての個別面接です。最終合格は、第1次と第2次の結果を総合して決まります。配点は公表されていません。
倍率と受験者数
令和7年度(事務のみ)
| 区分 | 採用予定数 | 第1次受験者数 | 第1次合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 事務(一般事務) | 172 | 1,360 | 995 | 418 | 3.3倍 |
倍率は第1次受験者数÷最終合格者数です。最終合格者は採用予定数より多めに出され、そこから各区の面接(区面接)を経て採用が決まります。
令和8年度(第1次試験の受験者数)
| 区分 | 採用予定数 | 申込者数 | 第1次受験者数 |
|---|---|---|---|
| 事務(一般事務) | 130 | 1,335 | 1,053 |
| 土木造園(土木) | 25 | 7 | 5 |
| 土木造園(造園) | 7 | 2 | 2 |
| 建築 | 29 | 6 | 3 |
| 機械 | 12 | 4 | 3 |
| 電気 | 12 | 4 | 3 |
事務は採用予定130名に対して第1次の受験者が1,053名でした。一方、技術系はどの区分も受験者が採用予定数を大きく下回っています。初めての実施で、まだ広く知られていないことも影響していそうです。
令和8年度の第1次試験の合格発表は10月23日、最終合格の発表は11月20日の予定です。結果が出たら、この記事に倍率を追記します。
令和8年度の日程
- 申込み:6月25日(木)~7月16日(木)午後5時まで
- 第1次試験:9月13日(日)
- 第1次の発表:10月23日(金)
- 第2次試験:10月30日(金)または11月2日(月)のうち指定された日
- 最終合格の発表:11月20日(金)
Ⅲ類は秋に1回だけの試験です。ほかの区分も含めた日程は、特別区の試験日程・合格発表はいつ?にまとめています。
併願の注意点
Ⅲ類に申し込んだ人は、同じ年度のⅠ類【秋試験】に申し込めません(受験したかどうかに関係なく)。Ⅰ類の秋試験は技術系だけの試験で、21歳から受けられます。生まれ年によっては両方の年齢条件に当てはまる人もいるので、技術系を志望する人はどちらを受けるか先に決めておきましょう。
Ⅰ類の各ルートの違いは、特別区Ⅰ類の早期SPI枠・春試験・秋試験の違いで解説しています。
初任給
試験案内では、Ⅲ類の初任給は約240,300円(地域手当を含む、令和8年4月1日現在)とされています。さらに令和8年10月の給与勧告で、Ⅲ類の初任給(給料月額)は200,300円から209,800円に引き上げられることになりました。地域手当20%を含めると約251,760円です。
勧告の中身は特別区人事委員会勧告とは?で詳しく解説しています。
最終合格したあとの流れ
Ⅲ類もⅠ類と同じく、最終合格するとまず「採用候補者名簿」に載ります。その後、人事委員会から各区に提示され、提示された区の面接(区面接)を通って内定です。区面接の流れは特別区の区面接を徹底解説をご覧ください。
面接対策
第2次試験と区面接は、どちらも個別面接です。面接カードの書き方は例文あり!特別区の面接カードの書き方、面接の進め方は特別区の面接に合格する方法!で解説しています。
特別区の面接で聞かれやすい質問と回答の考え方は、noteの面接テキストにまとめています。

まとめ
- Ⅲ類は高校卒業程度の試験で、学歴の条件はない(令和8年度は2005年4月2日~2009年4月1日生まれ)
- 令和8年度から技術系5区分が加わり、採用予定は合計215名程度
- 事務の第1次は教養試験(50題中45題)と作文(600~1,000字)、技術系は専門試験(30題必須)だけ
- 令和7年度の事務の倍率は3.3倍。令和8年度の技術系は受験者が採用予定を大きく下回った
- Ⅲ類に申し込むと、同じ年度のⅠ類秋試験には申し込めない
